――現在、FPGA業界にはどのような動きがあるのでしょうか。

FPGAの用途が変わってきていると思います。元々、FPGAが使用された用途は、"SoC開発のためのプロトタイピング"が主だったほか、"システムのバグフィックス"や"システムのペリフェラル機能"などを実現するためのものでした。

それが、2000年頃からだと思いますが、ASICやASSPの代替としてシステムに搭載されるようになり始めました。その結果として、FPGAのSoC化が進んできています。

こういった流れの結果、デバイスのアーキテクチャ開発も重要ではありますが、カスタマのシステムを理解して、それに見合った機能を搭載することが重要になってきました。

そこで、Alteraでも、これまでデバイス単体の売り方から、システム提案型への販売へと舵を取り、組織変更を行い、それぞれの分野にセグメントを分けて対応するという体制へと変化を遂げてきました。これにより、例えばパケット処理やトラフィックマネジメントなどに対する提案ができるようになりましたし、どういったマーケットを狙って、それに適した仕様をどのようにするのか、といった話し合いができるようになったほか、それぞれのシステムに対して詳しくなり、知識の向上を図ることができました。

――システムに詳しい半導体ベンダというのがAlteraの特長であると。

私自身、Alteraに入社して来年で15年になります。日本法人の社長に就任する以前は、米国本社で通信市場のマーケティングや、日本法人のマーケティング部門立ち上げなども担当してきました。

私の例を出すまでもなく、Alteraで働く人は比較的勤務年数が長い人が多いのが特徴です。また、それにより、知識や技術といった無形の財産が蓄積でき、そこから新たなイノベーションが生み出されるといった循環ができています。

例えば、高速インタフェースであるSerDesなどについても、すでに1990年代後半から開発を開始するなど、他社に先んじた技術開発を進めてきました。