研究中の次世代メモリを多数展示
東芝のブースでは、同社の半導体事業の主力であるNAND型フラッシュメモリの生ウェハや300mmウェハのインゴットなどの展示のほか、次世代メモリであるMRAMや量子ドットを用いた不揮発性メモリの説明などが行われている。
MRAMは配線からの誘導磁場を用いたデータ書き込み方式と、スピン注入を用いたデータ書き込み方式の2種類に大別される。同社では、16Mビットを実現した200mmウェハの展示を行っていたが、こちらは誘導磁場書き込み方式を適用している。ただし、こちらは大容量化には向かないことから、垂直磁化スピン注入方式によるMRAMの開発を進めているという。
同方式は、素子にダイレクトに電流を流して書き換える方法で、プロセスが微細化すると、より小さな電流で書き換えることが可能となる。現在は64Mビットクラスの設計段階にあるとしており、2009年度中には完成させたいという。
また、量子ドットを用いた不揮発性メモリ技術については、SONOS型の説明が行われていた。メモリの構造としては現在のNADN型フラッシュメモリに用いられているようなフローティングゲートのほか、SONOS、TANOS、ONOなどがあり、同社でもさまざまな構造の研究を行っている。「今回の展示ではたまたまSONOS型が選ばれただけ」(説明員)という。