MicrosoftとYahoo!が選択可能なオプション

こうしたバックグラウンドの中で、両社が選択可能なオプションにはどのようなものがあるのだろうか。米Wall Street Journal(WSJ)は19日付の紙面の中で、同件に近い筋の話としてMicrosoftがYahoo!のWeb検索ビジネス"のみ"の買収を打診していたことを報じている。

これはMicrosoftがYahoo!買収提案撤回を発表した日の前の週に両社で選択可能なオプションを模索していた際に提案されていたもので、結局合意には至らなかったという。以前にMicrosoft CEOのSteve Ballmer氏がYahoo!とGoogleが検索広告で提携を模索していることを批判していたことからもわかるように、MicrosoftがYahoo!の資産で最も興味を持っているのは検索ビジネスとそれに紐付く広告ビジネスである。

Yahoo!ブランドや他のサービスは2次的な付随要素で、まずは検索ビジネスでのシェアを拡大し続けるGoogleの台頭を押さえることが至上命題なのだろう。「あらゆる可能性を模索する」との緊急声明は、Yahoo!とGoogleの提携をストップさせる効果を狙ってのものだ。

「Microsoftに買収されずに独立性を保つ」ことを望むYahoo!と「検索/広告ビジネスの強化でGoogleへの対抗」を狙うMicrosoft――両社の欲求を満たす折衷案は存在するのだろうか。WSJは記者ブログの投稿「Three Ways Microsoft and Yahoo Can Make a Deal Work」の中で3つの可能性について言及している。