中国ECサイト市場発展にはインフラ整備が決め手
モバイル端末での電子商取引も投資家に注目されており、その市場潜在力は無視できない。携帯電話に関する市場調査を行っているTelecom Trends Internationalのアナリスト、Naqi Jaffery氏によれば、モバイルをビジネスに活用するユーザーは、今年中に全世界で16億7,000万人に達し、その市場規模は5,540億ドルにまで達すると予測している。これは、世界のオンライン取引市場全体の15%程度に該当する。中国においてはまだまだこれからの市場だが、その分成長の「のりしろ」が、非常に大きいともいえる。
中国においてモバイルネットワークのインフラ整備が進めば、モバイルへのアクセススピードが急速に上がっていく。PCを使ったネットショッピングに慣れた消費者が、今後モバイル環境でもその利便性を追い求めるようになるのは、火を見るより明らかだ。
保守的だといわれるある専門家の予測でも、中国のモバイルECサイト市場の規模は、2010年までに約76億元(約1,140億円)に達する見込みである。6億人という膨大な携帯電話のユーザーをバックに、電子商取引の焦点は、そう遠くないうちにPCからモバイル端末に移るだろう。
昨年、アリババCEOの馬雲氏は、企業のモバイルURLを全て登録、モバイルECサイト市場進出への足固めをしたとされ、その動静が投資家の注目を集めている。もちろん、中国で成熟したモバイルECサイト市場が立ち上がるまでにはまだ相当の時間と紆余曲折を経ねばなるまいが、発展の大筋はほぼ見えてきている。今後の動静に注目したい。