iTunesが音楽を変えたように"繋がる"という『体験』が重要
Ilya Bukshteyn氏へのインタビューでは、Microsoftはなぜ「コネクテッド エクスペリエンス」を提唱し、またそれはユーザに何をもたらすかについてたずねた(動画1)。
同氏によると現在、Windows Embedded CEは、パーソナルナビゲーションシステムとしての需要が高いという。このシステムを「コネクテッドエクスペリエンス」という視点で考えたとき、どのような『体験』がユーザにもたらされるのだろうか。それについて同氏は「例えばテレビで見た"スシ"レストランに行きたいとき、テレビにナビゲーションシステムをシームレスに接続し、テレビの情報を取り込めば、キーボードからわざわざ住所を打ち込むようなことをしなくてもレストランの位置を表示できる。シームレスに食事に行くことができる。」と笑って答えた。
ここまでの話では、コネクテッドエクスペリエンスがもたらす世界とは、ユビキタス社会に非常に似ている。「コネクテッドエクスペリエンス」と「ユビキタス」とは、同じ意味なのだろうか(動画2)。
同氏によると、「コネクテッドエクスペリエンス」と「ユビキタス」は大きな意味では同じだが、中心となるものが異なるという。ユビキタスがハードウェアを中心にしていることに対して、コネクテッドエクスペリエンスはあくまでも『体験』を提供するための「サービス」が中心となる。この「サービス」はユビキタスネットワークを通して提供される。こういった意味で「コネクテッドエクスペリエンスはユビキタスよりも広い概念」と同氏は両者の違いを強調した。
機器の機能ではなく、あくまでも顧客が得る『体験』を中心に設計を行うことが重要なのだ。自動車のセールスマンは「我々は自動車を売っているのではなく、自動車によって顧客が体験する『利便性』を売っているのだ」と教えられるそうだ。コネクテッドエクスペリエンスは、この視点にかなり近いものがある。
手元にある機器が、友人や家族のコンピュータとシームレスに繋がり、画像や動画といった情報を共有することができる。この『体験』こそがコネクテッドエクスペリエンスであり、それを実現できるインフラがWindows Embedded CEをはじめとするWindowsによるネットワークである――それが同氏の主張のようだ。