マイコン(マイクロコントローラ)の大手ベンダであるFreescale Semiconductorは、中国で毎年、マイコンのアプリケーション開発コンテスト「マイコン設計応用コンテスト」を開催している。昨年(2007年)12月20日、そのコンテストの優秀作品の発表と表彰式が上海で開催された。本稿では、この表彰式のようすを中心にレポートする。

「マイコン設計応用コンテスト」の表彰式 - 審査員と受賞者が並び、記念撮影

中国で積極的にマイコン事業を展開するFreescale

コンテストの内容について述べる前に、まずはFreescale Semiconductor(以下、Freescale)の中国における活動を簡単に紹介しておこう。Freescaleは米国に本社を構える多国籍企業であり、日本を除くアジア太平洋地域は、Freescale Semiconductor Asia Pacificが統括している。世界の地域別売上(米国、欧州、日本、アジア太平洋)ではアジア太平洋が最大の地域であり、Freescaleの全売上高の47%を占める。Freescale Semiconductor Asia Pacificの従業員数は8,500名。中国、香港、韓国、マレーシア、シンガポール、台湾に拠点を構える。

Freescale Semiconductorのアジア地域(日本を除く)における主要拠点

中国におけるFreescaleの従業員数は3,800名であり、Freescale Semiconductor Asia Pacificの4割強を占める。天津(Tianjin)にパッケージングおよびテストの拠点があり、北京(Beijing)と蘇州(Suzhou)、天津(Tianjin)、上海(Shanghai)、成都(Chengdu)にIC設計センタを有する。セールスオフィスは北京と上海、深セン(Shenzhen)、青島(Qingdao)にある。天津のパッケージング/テスト拠点はFreescaleにとって中国では最初の拠点であり、1992年に操業を開始した。従業員数は2,900名で、中国で最大の人員を抱える拠点でもある。1週間に900万個の半導体を生産している。

Freescaleは中国で積極的にマイコン事業を展開している。たとえばマイコンのトレーニングセンタを37カ所も設けている。アプリケーションの新規開発にも熱心であり、その一環として5年前からマイコンのアプリケーション開発コンテスト「マイコン設計応用コンテスト」を開催してきた。今回(2007年)は第6回目のコンテストとなった。