盛り上がるSNSはオーナーが鍵

オーナーの存在は、SNSの成功の鍵を握るキーポイントになる。「オーナーが参加者にメッセージを入れるなどの気配りをすることで、知り合いがいない参加者がSNSに残るきっかけとなる」(千輝氏)。そうしてユーザーをつなぎとめたうえで、参加者同士が関係性を築けるかどうかが、SNSの盛り上がりを左右する。オーナーはそのための工夫が必要だ。So-net SNSの中には、"オーナー vs 多数"の関係にとどまって、ユーザー同士のつながりが生じないケースもあるという。千輝氏はその一例として、ブログがSNSに移行してきた例を挙げる。オーナーひとりが書くばかりで読者が満足してしまうパターンだ。

「SNSはブログとは違い一人で運営できるものではない。開設初期に集まった人たちが実行委員会として運営に協力的なSNSが成功している。SNSは国家みたいなもので、王様だけでもダメだし国民だけでもダメで、政府が必要」(千輝氏)。

オーナーに向いているタイプは、世話好きで手間をかけられる人だ。具体的には、「2ちゃんねる」でスレッドを立ててケアできるような人であり、何らかのコミュニティを運用運営した経験のある人のほうがよいそうだ。

ただし、そうした経験がなくても時間が解決する面もあるという。注意点としては、「ユーザーは勝手に盛り上がるわけではないので、参加者を増やすことばかりに夢中になって、SNSを盛り上がるための施策をしないのはダメ」(千輝氏)。

実際のオーナーはどんな人たち?

これまでSNSを盛り上げるためのコツを見てきたが、実際に盛り上がっているSNSのオーナーとはどんな人たちなのだろうか。千輝氏らが各SNSオーナーに(ネット上で)取材したところ、オーナーは全般的に真面目なタイプが多いそうだ。運営姿勢も非常に誠実で、「複数のチーム制で運営している」ことが多いという。意外なのが「SNSを運営するくらいだからネットリテラシーは高いと思ったら、そうでもなかった」という点。オーナーたちは、試行錯誤しながらもSNSというコミュニケーションツールを活用し、コミュニティを楽しんでいるようだ。