SNSの成り立ちは3パターン

So-net SNSでアクティブに稼働するSNSの中から約1,500を抽出して調べたところ、SNSの成り立ちや利用シーンにはいくつかのパターンが存在することが明らかとなった。

リアルな関係をネットに置き換えたSNS
ひとつは、リアルな関係をネット上に置き換えたものだ。知り合い同士の小さな集まりで、継続的かつクローズドで使われる。たとえば、同級生や同期社員など、携帯電話の番号やメールアドレスを交換しあうような親しい間柄で利用される。ツーリング仲間や釣り仲間のように、趣味や興味を通じたリアルな関係性の延長で作られるSNSもこのタイプだ。

既存コミュニティを再構築したSNS
既存コミュニティを再構築したSNSもある。掲示板や大手SNSなどに存在するコミュニティの関係者が場所を移して作ったものだ。移設理由には、他のグループからの嫌がらせを受けたり、真剣な議論に水を差されたりしたといったものがある。親しいグループだけで議論できる場がほしくなったというわけだ。

ただし、完全に移行してしまうのではなく、従来所属していたコミュニティも並行して使う。より内輪だけで話したい際にSo-net SNSを使い、一般的な会話は既存コミュニティでする傾向にある。オンラインゲームのサイドコミュニティとして使われるケースも珍しくない。ゲーム内で知り合った仲間同士が、ゲームにログインしなくても交流できる場として受け入れられているそうだ。

疑似体験を楽しむ場としてのSNS
前述したなりきりコミュニケーション系も多い。アニメやゲーム、漫画のキャラクターになりきってコミュニケーションが楽しめ、一般参加者とキャラ参加者による疑似ゲーム体験などが楽しめる。人格同一性を重視する一般的なSNSでは不可能だったニーズをすくい取ることに成功した。

全般的に言えるのは、SNSには"盛り上がる単位"があるということだ。地域別のSNSであれば、「東京」などの大きな単位ではなく、「下北沢」などの駅や街単位で作ったほうが共通事項や意識が高く盛り上がる。ゲーム系SNSの場合も同様だ。「オンラインゲーム」というジャンル別ではなく、特定のゲームなど、参加者に愛着が湧くサイズをテーマに選ぶことがコツなのだ。