そして、12時30分にはこのレースで唯一の接触事故が発生した。CornellのSkynetが交差点の右折で止まってしまい、後ろから来たMITのTalosが、Skynetは動かないと判断して左から大きく廻りこんで追い越しながら左車線に入る形の右折を掛け、その後右側車線に戻る時に、SkynetがTalosの動きに反応してデッドロックが解けたのか動き出して右折を行い、両車が接触してしまった。車の正面のケースではセンサーと非常ブレーキが良く出来ており、数十cm程度の至近距離ではあるが衝突は回避されていたのであるが、この右折のようなケースはプログラムで想定されておらず、緊急停止処理が間に合わなかったのであろう。結果としては軽微な接触で、センサーには損傷が無く両車ともレースに復帰したのであるが、センサーのアライメントが狂っていたら走行不能になったと思われ、ロボットカーの実用化の難しさの一端を感じさせる場面であった。

ミッション1では5台が落伍したが、ここまでクリアして来た各車はUrban Challengeに十分な対応が出来ているからか、残る6台はミッション2をクリアし、13時14分には最後となったCornellのSkynetがミッション3のスタートを切った。

これに続くミッション3も比較的平穏に推移し、13時44分にStanfordのJuniorが先頭を切ってゴールしてチェッカーフラグを受けた。そして、1分後にはCMUのBossがゴールするという2005年のGrand Challengeの再現を思わせる緊迫したゴールであった。更に、13時55分にはVictor TangoのOdinがゴールしてチェッカーフラグを受けた。

その後も後続グループの戦いは続き、14時30分にはMITのTalosがシグナルゲートという鉄パイプで出来た可動柵で止まり、係員が柵を取り外すというアクシデントや、14時40分ころにはLittle Benが斜めになって止まるというアクシデントがあったが、大きな混乱は無く、14時50分にはLittle Benがゴールし、15時35分にはTalos、そして15時37分にSkynetがゴールして7時間半あまりにわたるレースを終了した。

各チームの車のスタート時刻が違い、ロスタイムにも違いがある。また、時間だけでなく、交通違反などがあると減点されるというシステムであり、チェッカーフラグを受けた順に順位が決定するわけではない。ということで、これらの結果の集計を行い、レースの翌日の11月4日に正式な順位が発表された。