ファイナルレースのスタートは午前8時の予定であり、8時を少し過ぎたころに、まず、Victor TangoのOdinがピットからスタートし、数分の間隔でStanfordのJunior、Ben FranklinのLittle Ben、MITのTalos、UCFのKnight Rider、CornellのSkynet、OshkoshのTerraMaxと次々に各チームのロボットカーがスタートを行った。自動車レースといっても交通法規に則って市街地を走るというレースであり、各車一斉スタートで、ロボットカーだけが固まって走るという状況を避けるという配慮であると思われる。
このスタートで、ここまでのチームは問題なくスタートしたが、その次のISVのXAV-250はピットから左折してコースに出るときに少し余計にハンドルを切りすぎて、各チームの間を隔てるコンクリートの隔壁に向かってしまい、その状態で動けなくなってしまった。オペレータが乗り込んでスタート地点にバックしてのやり直しが認められて正常にスタートしたが、XAV-250の経過時間は最初のスタートからカウントされている。それに続いて、AnnieWAY、CMUのBoss、そして最後にCarOLOのCarolineがスタートした時には8時35分になっていた。
StanfordのJuniorやTartanのBossが順調な走りを見せるなか、8時39分には74番のLittle BenがT字路での左折で止まってしまった。この停止で後続車をブロックしてしまいAll Pauseとなった。All Pauseとなると、他の全ての車も止まり、原因となった車以外の経過時間のカウントがストップする。Little Benは7分程度止まっていたが、また、動き出してレースは再開された。その後もAnnieWAYがトラフィックサークルに入るところで、どちらに進むかを考え込んで停まったり、Carolineがダートロードで路肩に乗り上げて止まったりするなど苦戦する車が見られた。また、9時間20分ころにはUCFのKnight Riderが交差点で止まってしまったが、左から来たJuniorに反応して動き始め、後続で停まっていたSkynetも動き始めるというように、外部からの刺激でプログラムのデッドロックが解消するという動きも見られて興味深い。
そして、最初のアクシデントはXAV-250で、一旦停止で動かなくなってしまった。また、9時間35分頃に、TerraMaxが道路わきにある大きな建物の柱に突っ込む寸前で止まり動けなくなってしまった。結局、TerrMaxはこの状態から抜け出せず、リタイアとなってしまった。この時点で、AnnieWAY、XAV-250とTerrMaxの3台がリタイアとなり、残る車は8台となった。
ダートロードで路肩に乗り上げて止まったCoroline(左)と柱にぶつかる直前で停止したTerraMax(右)。(出典:DARPAのWebcast) |
10時8分頃にはMITのTalosがダートロードで止まってしまった。しかし、かなりしぶとく耐久性のあるプログラムで何とか抜け出そうと色々とトライをする。少し向きを変えたり、1m進んで停まったりを繰り返すなどして、なんとか抜け出せたが、相当に時間をロスしてしまった。Talosは、未舗装で、中央分離線はもとより路肩の表示もない道は不得手のようで、この後のレースでもダートロードで苦戦して時間をロスする場面が見られた。