Site Visitでは、これらの53チームをDARPAの係官が順次訪問し、広い駐車場などに仕様に従って作ったコースで課題走行をチェックする。審査の手順は、まず、通過地点を書いたフラッシュメモリを渡し、それを制御用コンピュータに入力する。そして、先ず、緊急停止機能をチェックし、所定の距離以内で安全に停止することを確認する。それから、コースに沿って走行し、対向車線の安全を確認してから反対車線にでて、路上駐車の車を追い越したり、曲がり角のすぐ先の故障車を避けて大きくカーブしたりというテストがある。

そして、4way Stop(信号がなく、全方向が一旦停止)の交差点で、先に停まっている車があれば、それを優先して通し、その後に自分が通過するというテストが幾つかのシナリオで行われる。一番、トリッキーなのは、正面、反対方向に2台の車が停まっている場合で、まず、前の車を先に通す。そうすると、2台目の車が停止線まで前に進むが、自分の方が優先権があるので、次に自分が通らなければならない。人間のドライバーなら大して難しくは無いが、2台目の後ろの車を正しく認識して判断する必要があり、高度なインテリジェンスが要求される。

もう一つトリッキーなのは、先に止まっていた車がわざと10秒間動かず、その後に交差点を曲がるというケースで、人間のドライバーなら、「なに、モタモタしてるんだ」と交差点に侵入してしまうケースであるが、それをやると、勿論、交通法規違反で、課題走行失敗になってしまう。

各チームのホームページを見ると、上手く行かなかったというチームもあるが、結果を載せている大部分のチームは、課題をクリアしたと書いており、どこが選ばれるのか予断を許さない状況であった。