1つのことを実現するのに5つの方法を試す
iGoogleではさまざまな機能追加/変更を実施しているが、最近ではいずれも評判がよく、すぐにユーザーに受け入れられる傾向にある。これにはある秘密があるそうだ。
Shieh氏によると、彼らのチームでは、採用を検討する際に「実験して結果を分析する」というステップを踏んでいるという。例えば、1つのことを実現するのに5つの方法を用意する。それらを試しにリリースして、ユーザがどのような反応を示すかを分析し、もっとも優れた方法を正式採用するといった具合だ。
「iGoogleを初めて訪れたユーザにiGoogleに興味を持ってもらうにはどういったUIにするべきか」、この問題について検討した際には、12のUIを用意して実験したという。最も人気があったものを採用した結果、リピーターの数が大きく増えたそうだ。
100人に1人が当たる!? iGoogleの実験機能
ソフトウェアの実験というとα版やβ版といったバージョンでの実施を想像するが、上記のような実験はそのような形態をとっていなかったそうだ。iGoogleの実験は通常、一般のサービス利用者に対して行っているという。
具体的には、実験したい機能を全体の1%のユーザにだけこっそりと追加。対象ユーザにはそれが実験的機能だとは知らせずに利用してもらい、その結果どういう行動に出たかを分析するそうだ。Shieh氏の経験では、大きな変更をしても大抵の場合、それが実験的機能だとは誰にも気がつかれないという。
このような方法を採用する以前は、どういった機能を提供していくかをチーム内部で議論して決めていたが、当時はユーザから文句のメールが送られてくることが多かったという。しかし、実験&分析で採用を決めるようにしてからはユーザからの評価が向上。これが現在のiGoogle人気につながっている。
またShieh氏は、自身の仕事のうち、8割ほどは技術的な仕事をしているものの、コーディングはしておらず、残りの2割ほどをコーディングに費やしているという。ユーザリサーチやアナライズに多くの時間を費やしているようだ。