もうちょっと割のいい仕事について

ショップを始めた友人がいる。自分はほとんどモノ作りをしないが、自動販売機(いわゆるVender)を構え、いろんなクリエーターが作った商品を売っている。自動販売機の機能により、誰かが買うと、あらかじめ協議した割合のお金が、ショップオーナーとクリエータに自動的に振り込まれる。こんな自販機までも、Second Lifeのプレイヤー自身によって作られているのが、Second Lifeのおもしろいところだ。

この友人の場合、モノ作りはしなくても、自販機購入費用を初めとした初期投資や、店舗のレンタル費用や広告費用などは負担している。今のところ、ショップは黒字だとは思えないが、仮に月500円ほどの出費のお店屋さんごっこと割り切るなら、それも悪くないだろう。それに、もしショップが軌道にのらないとも限らないではないか。

実は、この友人のショップに、わたしもアクセサリなどをいくつか置かせてもらっていて、最近、平均して週50リンデンドルほどが入っている(作り方は別の機会に)。こんな収入でも少しだけいい気分を味わっているのだが、ただし、実世界で1日がかりで作った商品の1週間の売り上げが、日本円に換算して週20円にもならないのだから、喜んでいいのかどうかは、悩ましいところだ。

もっとも、Second Lifeでの仕事にも、現実世界でのアルバイトに肉薄するほど稼げるものもある。筆者の周囲を見てみると、現実の人間の時間を拘束するような仕事に多いようだ。バーチャル娼婦さんもそうだが、ライブのDJやダンサー(キャンプのダンスとは全く別物)といった仕事もある。中には日本円に換算すると時給1,000円を超える仕事もある。

実は筆者も、つい先日、商品を買ってくれたお客さんからオーダーメイドの依頼を受け、現実世界の数時間をかけて依頼された品を作り1,000リンデンドルを請求して、同額を得た。筆者には夢のような金額だったが、この額は、現実世界の労働力の売買に慣れているらしいクライアントさんにしては、かなり安い価格だったらしい。実際、時給で500円にもなってないんだから、堂々といえるがワーキングプアだ。あとから高価なプレゼントが届き、もっとふっかけておけばよかった、と悔やんでいる。

最近では、現実世界の会社からその業務としてSecond Lifeに参加している人もいる。先日、キャンプをしていたら、とあるIT会社の人に声をかけられ、自社サイトを自慢されたりSecond Lifeについて質問されたりした。そんな会社が何かの業務に乗り出したりして、自社スタッフで足りないときは、外部スタッフを雇うこともあるだろうし、Second Life内で人を捜し、リンデンドルで支払うことも可能なのだ。Second Lifeのバイト代を現実のお金にかえたときは、きちんと税務署に申告しようね。