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東芝デジタルソリューションズが考える、つながる世界
最後に、再びバトンを島田さんに渡し、東芝が考える「スケールフリーネットワーク」(※5)、そして「データがつながる世界」について伺っていきたい。
──スケールフリーネットワークが創り出す「データがつながる世界」についてお聞かせください
島田さん |
『「モノ」から「コト」』という言葉がありますが、私はこれに昭和の香りを感じます。昭和企業がInstagramを作ろうとすると、まず「写真」という「コト」を集めようとするでしょう。でも写真というのは人ごとに好みが全然違うわけですから、それではダメなんです。「コト」ではなく「場」が重要です。自分がこれを共有するという双方向の世界を作ることが大切なんです。 東芝データ(株)が取り組む「スマートレシート」では、個人がレシートを集めることから始まります。これによって得られるのは店舗の情報ではなく、買い物をした人の情報です。この情報を利用すると、今まで体験したことがないような良いサービスを提供できるでしょう。 |
島田さん |
データには非対称性がありまして、偏りがあるんですね。1つのことがよくわかるデータがあっても、単体では意味がない。しかしデータとデータがつながることで新たな価値が創出されます。例えば健康データに対して、運動データや食事データを組み合わせること、掛け算で、さまざまな新しいサービスが生まれるのです。 |
※5スケールフリーネットワーク
ネットワーク理論の分野においてリンク(枝)が一部のノード(点)に極度に集中しているネットワークをスケールフリーネットワーク という。スケールフリーネットワークではリンクの分布を表現する「スケール(尺度)」が存在しないため、スケールフリーと呼ばれている。
詳しくはこちらスケールフリーネットワークに関する島田さん共著の書籍
『スケールフリーネットワーク ものづくり日本だからできるDX』
──最後に、東芝デジタルソリューションズの今後の展望をお聞かせください
島田さん |
先ほど「みんなのDX」の話がありました。DXを避けることができる人はもう世の中に存在しないでしょう。例えば「DXの部門を作って、その人たちにまかせる」という考え方は間違いです。だれしも必ずデジタルの影響を受けますので、全員でDXについて考えましょうというのが「みんなのDX」のポイントと言えます。 |
島田さん |
私は今年から「みんな“で”DX」と言い始めました。これは単に東芝の社内だけでなく、外部の多様な人々も巻き込んでスケールフリーなエコシステムを確立していくことこそ、極めて大切ではないかと考えているからです。「人と、地球の、明日のために。」持続可能な社会を作るということが、SDGsに貢献することであり、東芝の企業理念そのものだと思っております。 |
──皆様、本日はありがとうございました。
今回の座談会から、異なる分野でそれぞれが活躍し、同社が一丸となってDXに取り組む姿勢が垣間見えた。島田氏が述べたように、DXはすでに不可避な事象といえる。コロナ過を経て、それは一層鮮明になったといえるだろう。そのような情勢において、東芝はいま社内のみならず、外部の企業をも視野に入れた取り組みを推し進めている。 東芝デジタルソリューションズが「データがつながる世界」を通じてどんな未来を描くのか。今後も目が離せない。
[PR]提供:東芝デジタルソリューションズ