それでは早速検証の結果を紹介していこう。まずは、Futuremarkの定番3Dベンチマーク「3DMark」のスコア比較だ。

  • 3DMark DirectX 11総合スコア

    3DMark DirectX 11総合スコア

最初はDirectX APIとしては1つ古いバージョンのDirectX 11を用いたテスト。Sky Diverと各Fire Strikeのスコアだ。それぞれのテスト名の横に解像度を記載しているが、Fire StrikeはUltra>Extreme>無印の順で解像度が高くなる。同じテストで比較した場合、画質は共通で、スコアの差はフレームレートの違いと捉えればいい。

より高いスコアであるほどフレームレートが高く、快適にゲームがプレイできることを意味する。こうして比較をすると、GeForce RTX 2080 Tiを搭載する「NEXTGEAR i690PA3-SP2」が頭一つ抜け出しており、「NEXTGEAR i690GA4」と「NEXTGEAR-MICRO im610SA3-SMM」では、GeForce RTX 2070を搭載する「NEXTGEAR i690GA4」のほうが高いスコアだ。

  • 3DMark DirectX 12総合スコア

    3DMark DirectX 12総合スコア

次は現行バージョンのDirectX 12を用いたテスト。Night Raidと各Time Spyのスコアだ。Night Raidのスコアを見ると、GeForce RTX 2080 Tiを搭載する「NEXTGEAR i690PA3-SP2」と、GeForce RTX 2070を搭載する「NEXTGEAR i690GA4」の差がDirectX 11より小さいように見えるが、これはNight Raidのグラフィックス負荷が軽すぎて、スコアが頭打ちになっているためだ。

Time Spyとより高解像度のTime Spy Extremeのスコアを見れば、DirectX 11時と同じような差がついていることがわかる。

このように、「NEXTGEAR i690PA3-SP2」>「NEXTGEAR i690GA4」>「NEXTGEAR-MICRO im610SA3-SMM」でフレームレートが高いことがわかるだろう。

リアルタイムレイトレーシングのテストとしてPort Royalのスコアも紹介しよう。性能の並びとしては先ほどと同様で、「NEXTGEAR i690PA3-SP2」を基準にすると、「NEXTGEAR i690GA4」は約6割、「NEXTGEAR-MICRO im610SA3-SMM」は約半分のスコアだ。

  • 3DMark リアルタイムレイトレーシング総合スコア

    3DMark リアルタイムレイトレーシング総合スコア

ゲームベンチマークで見るフレームレートの性能差

3DMarkでおおよその性能差を把握したところで、今度は実際のゲームにおいてどのくらいのフレームレート差が出るのかを試してみよう。

まずはエレクトロニック・アーツの「バトルフィールドV」。GeForce RTX 20シリーズの登場後、最初にリアルタイムレイトレーシングに対応したゲームタイトルのうちのひとつだ。

  • バトルフィールドV

とはいえ、先に通常のDirectX 12でのフレームレートを見てみよう。解像度はフルHD(1,920×1,080ドット)と4K(3,840×2,160ドット)、画質設定はプリセットの「低」と「最高」で試した。なお、ベンチマークモードを搭載しないタイトルなので、実際にプレイした際のフレームレートを1分間取得し、その平均を算出している。

計測はキャンペーンの北極光の冒頭シーンで、敵が登場しないので計測向きだが、その分フレームレートは高めとなる傾向だ。そのため、通常快適ラインである60fpsより十分余裕を持った数字が求められるので、注意点として挙げておく。

  • バトルフィールドV DirectX 12

    バトルフィールドV DirectX 12 ベンチマーク結果

GeForce RTX 2080 Tiを搭載する「NEXTGEAR i690PA3-SP2」は、試した設定のどれもが60fpsを大きく上回っている。「NEXTGEAR i690GA4」は、4K最高画質時は60fpsを下回っていることから、4Kを取るなら画質を下げ、最高画質を取るなら解像度を下げる必要があることを示している。

「NEXTGEAR-MICRO im610SA3-SMM」は、低画質ならば4Kでも60fpsを超えているが、余裕という点では大きくない。むしろフルHDの最高画質のほうが高いフレームレートなので、フルHDか1つ上のWQHD(2,560×1,440ドット)を軸に画質を高める方向でバランスを取るほうがいいだろう。

続いてリアルタイムレイトレーシング。事前に最高画質のままリアルタイムレイトレーシングをオンにすると、4Kでは負荷が高すぎることを確認しているので、解像度はフルHDのみとした。

リアルタイムレイトレーシングのほか、GeForce RTX 20シリーズではDLSSと呼ぶ、AI回路を用いたフレーム補間技術(テレビで120Hzとか倍速と呼ばれるものと同じと思えばいい)も搭載されており、これをオンにすることで、処理の重いリアルタイムレイトレーシングでもフレームレートを稼ぐことができる。

ただし現状では、GPUと解像度の組み合わせによって利用できない場合もあるようだ。ここでのフレームレートは、設定上ではリアルタイムレイトレーシングとDLSSがオンの状態での(実際にはDLSSがオフになっているかもしれないが)、現状得られるフレームレートと見ていただきたい。この問題は今後改善されるだろう。

  • バトルフィールドV リアルタイムレイトレーシング

    バトルフィールドV リアルタイムレイトレーシング

グラフを見ると、「NEXTGEAR i690PA3-SP2」が85.13fpsに対して「NEXTGEAR i690GA4」が73.87fpsと、これまでと比べるとその差は小さい。そして「NEXTGEAR i690GA4」と「NEXTGEAR-MICRO im610SA3-SMM」の差が大きい。

DLSSが効いているのは、GeForce RTX 2070を搭載する「NEXTGEAR i690GA4」と、GeForce RTX 2060を搭載する「NEXTGEAR-MICRO im610SA3-SMM」。「NEXTGEAR i690GA4」はリアルタイムレイトレーシングによって60fpsを割り込むところをDLSSが持ち上げて70fps超を実現しており、フルHDなら十分に画質とプレイを両立できる。

「NEXTGEAR-MICRO im610SA3-SMM」はDLSSを利用しても60fpsを割り込んだが、リアルタイムレイトレーシングのみの場合は30fps以下に落ち込むので効果はありだ。対戦ではないシナリオモードでなら、この設定か、あるいはプリセットを「高」に一つ引き下げれば十分なフレームレートが得られる。

「NEXTGEAR-MICRO im610SA3-SMM」は60fpsを満たしていないため、画質設定の調整が必要だ。リアルタイムレイトレーシングでは、画質設定によってレイの数を調節するといったことが行われる。レイの数を減らすことで負荷を下げ、プラス20fpsを稼いでプレイ可能にすればいい。

次のタイトルは4A Gamesの「メトロ エクソダス」(販売元:スパイク・チュンソフト)。こちらもリアルタイムレイトレーシングとDLSSに対応するタイトルだ。

  • メトロ エクソダス

  • 設定画面

こちらも最初にDirectX 12でのフレームレートを見ておこう。解像度はフルHDと4K、画質プリセットは最低よりも1つ上のNormalと最高よりも1つ下のUltraとした。メトロ エクソダスはベンチマークモードを搭載しているため、フレームレートから各モデルの性能を推し量るうえでは正確性が高い。ゲーム内における実際のフレームレートとの差は判断の難しいところだが、かなり負荷の高いベンチマークであることは確かだ。

  • メトロ エクソダス DirectX 12

    メトロ エクソダス DirectX 12 ベンチマーク結果

グラフのとおり、バトルフィールドVと比べて各設定でのフレームレートは低めだ。フルHD・Normal画質はどれも問題ないが、4K・Normal画質、フルHD・Ultra画質については、60fpsを満たしたのはGeForce RTX 2080 Tiを搭載する「NEXTGEAR i690PA3-SP2」のみだ。

このタイトルを高解像度・高画質で楽しみたい方は、最上位GPUを搭載する「NEXTGEAR i690PA3-SP2」がオススメ。なお、グラフィックス重視のゲームは、年々負荷が重くなっていく。GPUもそれに合わせて、時に先行して高性能化するものだ。

つまり、1年後、2年後はより負荷の高いゲームタイトルが登場してくることが予想される。購入後、末永く高解像度・高画質を楽しみたいなら高スペックのPCがいい。あるいは、ある程度の基準を満たしたほどほどのスペックのPCを、短期間に乗り換えていくという方法もある。

続いてリアルタイムレイトレーシング。ベンチマークモードにおけるプリセットは「RTX」で、リアルタイムレイトレーシングとDLSSがオンになる。このRTXプリセットの画質設定は、おおむねUltraにリアルタイムレイトレーシングとDLSSを加えたものだ(DLSSに関しては先と同様に注意が必要で、ここでは実際に得られるフレームレートとして見ていただきたい)。解像度は再びフルHDとしている。

  • メトロ エクソダス リアルタイムレイトレーシング

    メトロ エクソダス リアルタイムレイトレーシング

グラフのとおり、60fpsを満たすことができたのはGeForce RTX 2080 Tiを搭載する「NEXTGEAR i690PA3-SP2」のみだ。これは予測できたことだが、GeForce RTX 2070を搭載する「NEXTGEAR i690GA4」も50fps台、「NEXTGEAR-MICRO im610SA3-SMM」も50fps弱。これなら実際のゲームプレイでは画質を引き下げることで、フルHDであればリアルタイムレイトレーシングの世界を楽しめるだろう。