性能が固定された据え置きゲーム機と異なり、ゲーミングPCの性能は購入者が選べる。そして、選択性能に応じてプレイ可能な解像度や画質も決まってくる。
こうしたCPUやグラフィックスなどの組み合わせによって、たくさんの選択肢があるゲーミングPCの世界では、まず「この環境で遊びたい」という明確な目標を立て、予算を組むことが求められる。あるいはその逆になることもある。
今回は、マウスコンピューターの「G-Tune」ブランドより、異なるグラフィックスカード(RTX 2080 Ti/2070/2060)を搭載したゲーミングPC、3機種を用意。こちらを比較しスペックごとの性能をまとめてみた。
ゲーミングPCに限らず、PCの性能を決定する重要なパーツは2つある。“CPU”と“GPU”だ。CPUはスマートフォンの世界でもよく聞くだろう。PC全体の処理を司る司令塔だ。もうひとつのGPUは、グラフィックスカード上に搭載され、グラフィックス処理を担うもの。そしてゲーミングPCの場合は、一般的なPCよりGPUの性能が重要になる。
冒頭でも述べたが、PCゲームをプレイする上では、解像度と画質という要素がある。解像度は、フルHD(1,920×1,080ドット)、4K(3,840×2,160ドット)といった画素数を指す。一方、画質はわかりにくいかもしれないが、例えば影やけむり、炎といったエフェクトがリアルになったり、遠くのものまで描写されたりする。
もうひとつ、ゲームの快適度、映像品質を測る尺度としてフレームレート(fps)がある。1秒間に描画されるフレームの数を平均化したものだ。据え置きゲーム機では30fpsか60fps。PCゲームの世界では遊ぶゲームタイトルの解像度と画質によってフレームレートが変化する。
フレームレートがあまりにも低すぎると、映像がカクカクしてプレイできないので、一般的には据え置きゲーム機と同様に、30fpsや60fpsを満たせるように解像度や画質を調節すると良い。また、eスポーツのように、60fpsでは足りず120fpsや144fpsを求める用途もある。
いま、PCゲーミングの画質にはホットな話題がある。それがリアルタイムレイトレーシングだ。レイトレーシングは、非常にリアルな映像を得ることができる反面、計算に時間がかかる手法で、映画のように品質を求める用途、先に制作して後から再生するといった用途で用いられていた。
ただし、PCゲームはリアルタイムで進行する3D世界だ。処理が重くてはプレイできないため、これまではレイトレーシングではなく、より軽量な処理を使うことでリアルに「近い」画質を実現する手法が用いられてきた。
ところが、2018年、専用回路を搭載するNVIDIA「GeForce RTX 20シリーズ」GPUおよび、WindowsのグラフィックスAPI「DirectX Raytracing」(DXR)が登場したことで、レイトレーシングがPCゲームの世界でも利用できるようになった。
もちろん、従来の手法も引き続き利用できるが、よりリアルなグラフィックスを求めるゲーマーにとって、このリアルタイムレイトレーシングが利用できるかどうか、そして利用できた場合に必要なフレームレートを満たせるのかどうかは、これから重要なファクターとなる。
こうした点を考慮し、次世代ゲームグラフィックスのリアルタイムレイトレーシングが利用できるGeForce RTX 20シリーズGPUを搭載したゲーミングPCがマウスコンピューターのNEXTGEARシリーズ。今回はその中から、「NEXTGEAR i690PA3-SP2」(349,800円/税別)、「NEXTGEAR i690GA4」(219,800円/税別)、NEXTGEAR-MICROシリーズから「NEXTGEAR-MICRO im610SA3-SMM」(169,800円/税別)の3機種を例に解説していこう。
G-Tuneの3機種の詳細ついてはのちほど紹介するが、主なスペックは下記となっている。