イマドキのストップウオッチはスマホと連携
腕時計からは話が少々逸れるが、ストップウオッチで記録したデータを活用するという点では、Bluetoothでのスマートフォン連携機能を持つストップウオッチ「HSB-100W」もある。こちらの専用アプリは「CASIO Stopwatch+」。HSB-100Wで記録したラップメモリーを受信し、プレイヤー名などを編集可能。CSV形式にしてメールで送信することもできる。これをPCで受信して表計算ソフトに読み込めば、分析や資料作成に利用できる。なんと、ストップウオッチもインターネットに繋がる時代になったとは!
こちらは、時計事業部 企画統轄部 商品企画部の北村晃氏にお話を伺った。北村氏はインターネット接続機能を持つクロック製品の専用アプリ開発におけるキー・パーソンだ。
北村氏:「ストップウオッチという分野はすでに完成されていて、当社も実はこれが9年ぶり(!)の新製品なんです。でも、それが可能になったのはスマートフォン連携という技術の賜物ですね。機能的にはシンプルですが、トラック競技や水泳の計測と練習に有効活用していただけると思います。また、ある小学校の先生には、体力測定の50m走の記録に使えるとのお言葉をいただきました」
部活動やスポーツクラブの選手強化にも使えそうだ。選手のタイムを手軽にデータ化できるので、専門家に分析を依頼、改善点をアドバイスしてもらうこともできるだろう。
北村氏:「ストップウオッチや置き時計などのクロックでこのような取り組みは、まだスタートしたばかりで、今後どのように進化させていくか検討を重ねています。その中でも重要なテーマがまさに、スマートフォンやインターネットと繋がることで何ができるか、なのです。そしてそれは、アプリ抜きには考えられない。今後は腕時計以外でも、ネットに繋がることで利用価値が大きく広がる製品が増えるでしょう。アプリが果たす役割はますます重要になっていくと思います」
時計にしろストップウオッチにしろ、時刻やタイムを「知らせる」だけのものだった。が、アプリの登場により「その先の価値や可能性」を私たちは再認識させられつつある。
今後のアプリ開発の方向性は
北村氏:「GPW-2000やEQB-800、ストップウオッチのアプリは、時計の個性を強調する機能として、非常にわかりやすい例だと思います。一方、高級モデルであるOCEANUSとMR-Gの山形生産証明書や時計のステータス表示は一見すると地味かもしれません。が、この安心感も非常に大切で、これもアプリあればこそのサービスだと思っています」
花田氏:「高額モデルを、安心して永くお使いいただける仕組みが作れないだろうかとずっと考えており、今回のアプリでやっとその思いの一端が実現できました。社内およびグループ会社等の関係部門の協力を仰ぎながら、基板へのID書き込みと生産リストを保存するサーバーとそのネットワーク構築、さらにこれらの運用方法や活用法にわたって、非常に多くの関係者からの協力があり、実現にいたりました」
最後に、今後のアプリ開発の方向性について伺ってみた。
花田氏:「愛着を持って使われる時計を上手くサポートできるアプリを開発して行きたいですね。常に時計の機能や魅力に寄り添っていて、特に意識することなく違和感なく使える、そんなアプリを目指しています。アプリだけが突出して機能豊富になったりするのは違うかな、と。カシオの時計は、デザインや質感という伝統的な時計の魅力と、デジタルドライブならではの革新的な魅力、それらが両輪となって初めて成立するものだと思っています」
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