OCEANUS「OCW-G2000C」(世界限定1,500本)と「OCEANUS Connected」アプリ
「Elegance,Technology」を標榜するOCEANUSの「Connected エンジン 3-way」搭載モデル。サファイアガラスとチタンを組み合わせたベゼルを採用しており、サファイア部分には、新開発のグラデーション スパッタリング技術を駆使し、新たな“うつろいの青”を表現した。
専用アプリは「OCEANUS Connected」。時計同様にオシアナス・ブルーを意識したデザイン。オリジナル機能として「山形カシオ生産証明書」表示と、時刻受信状況、ソーラー発電状況、内部データ更新履歴が目視できるステータス表示機能を備えている。
G-SHOCK MR-G「MRG-G2000HT」(世界限定500本)と「MR-G Connected」アプリ
日本の伝統技術「鎚起(ついき)」を用い、綿状の目が連なる「霞鎚目(かすみつちめ)」をベゼルとバンドに採用。また、ベゼルはブルーDLC処理が施され、日本の古来より愛される深く味わいある「藍」を表現している。
専用アプリは、「MR-G Connected」。時計本体同様の黒を基調にデザイン。オリジナル機能は「OCEANUS OCW-G2000C」と同様、「山形カシオ生産証明書」表示と時計のステータス表示機能。
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高額モデルのOCEANUSやMR-Gとなると、ユーザーが求めるものが変わってくる。それは「時計と時刻に対する信頼感や安心感」だと花田氏は語る。
花田氏:「OCW-G2000とMRG-2000の基板には、実は、1本1本、ユニークなデジタルIDが書き込まれているんです。生産時にこのデジタルIDと製造シリアルナンバーを紐付けた生産リストを、生産工場である山形カシオで作成し、サーバーに保存しています。お客様の時計がアプリを介してネットに接続されると、アプリは時計の基板に書き込まれたデジタルIDを読み出し、サーバー上の生産リストと照合を行います。デジタルIDが生産リストと合致した場合は、山形カシオの中でも、選ばれた高度な技能者の手によって作られたことを証明する『山形Premium Production Line生産証明書』とともに、製造シリアルナンバーが表示されます」
――その意味は、やはり製品の真贋証明(コピー商品でないことの証明)の役割を担っているんですか。
花田氏:「そういう面を持ちつつも、さらに、高度な技能者の手によって作られているということを改めて感じていただき、商品に対してより深い愛着と信頼感を感じていただければと思っております」
すなわち、信頼できる時計が告げる時刻には、安心という品質があるのだ。それは理論的にも、感覚的にもわかる気がする。
花田氏:「また、時刻補正状況、発電状況、タイムゾーン・サマータイムルール情報の更新状況など、時計の基本動作状況をグラフ表示などにて、アプリ上で感覚的に把握していただける『ステータス表示』も、時計が正しく動作している状況を常に確認いただけることで、安心してお使いいただけるのではと考えております。
ステータス表示は、時計が正常に動作しているかを確認するだけでなく、見ていると興味深い発見もあります。ソーラーセルの発電量は約一年分遡って参照できるのですが、季節ごとに発電量の傾向に思った以上の差があるとか……。ご想像通り、夏は発電量が大きく上昇する一方、冬は下降傾向になります。これは太陽光の強弱に加え、夏は半袖で時計が露出する半面、冬は長袖で時計が隠れてしまうからなのです」
ほかにも、まったく発電していない部分を見ると、その時計をしまい込んでいる期間がわかる、といった発見もありそうだ。それは、手持ちの時計のローテーションを考え直す機会になるかもしれない。
花田氏:「また、アプリ上で表示ではされませんが、その他にも多くの時計内動作データを基に、時計内動作状況の診断もおこなっており、必要に応じて、適切なタイミングに、アプリ上でガイダンス表示も行います。
例えば、お客様の機能使用による電力消費と発電量とのバランス等に鑑み、ソーラー充電の促しを行うことで、電池が減り続けていくような状況を未然に防ぐことができます」
修理が必要、とメッセージが出ることもあるのだろうか。
花田氏:「状況によっては、お客さまのご使用方法をかえていただくことでは改善が難しい事象もありますので、その際は、サービスセンターの方へ誘導をさせていただくケースもあります」