「HP EliteBook 725 G3」は、"G3"という型番が示す通り、3世代目となるモデルだ。HPはモバイルノートPCというカテゴリにおいて、APU搭載モデルの展開を続けているが、初代のモデルと比べて、使い勝手や外観は想像以上に進化している。このページでは、「HP EliteBook 725 G2」からの変更点について、菊地氏に詳しく伺っていこう。

より薄く軽量な筐体を実現

世代交代によるもっともわかりやすい変更点は、その筐体だ。旧モデル「HP EliteBook 725 G2」は、ブラックの天板にW311×D215×H21mmの筐体を備えていたが、「HP EliteBook 725 G3」はシルバーの天板にW310×D219×H18.9mmのサイズと、大幅な薄型化が実現されている。21mmから18.9mmの変更のインパクトは大きく、2機種を比べてしまうとその薄さは歴然だ。同時に重量も約1.49kgから約1.26kgに軽量化されており、利便性がグンとアップした。

旧モデルであるG2にくらべ、G3は2mm以上の大幅な薄型化が実現された。重量も200g以上軽くなっている

G3で薄型化・軽量化が実現できた秘密の1つは、新世代AMD APUによる熱処理の効率化と省電力化にあるという。また「HP EliteBook 725 G3」が全モデルにM.2 SSDを採用している点もポイントで、これまでの2.5インチSSD/HDDと比べて設置面積が少なく、かつ軽量なため、薄型化・軽量化の手助けとなっているそうだ。菊地氏によると、モバイルノートには1.2kg台、1.0kg台にそれぞれ壁があり、一般的に壁を超えるごとに価格は上昇するという。しかし本機は、1.2kg台で7万円台という価格を実現している。

「MIL規格」をクリアする耐久性と防滴キーボード

このような大幅な薄型化・軽量化が実現されたにもかかわらず、本機はG2に引き続き米軍調達基準(MIL-STD-810G)、通称「MIL規格」準拠のテストをクリアしている。これは、文字通りアメリカ軍に納入する物資に求められる評価基準となっていたもので、現在は廃止されているものの、その要求水準の高さから品質を表す指標として現在でも利用されている。

MIL規格では落下、振動や粉塵、温度、湿度などに関する過酷な品質テストが行われており、クリアした製品は一般的に高い安全性や耐久性を証明することになる。薄型軽量化した一方で、MIL規格をクリアするために、デザインや素材にも手を加えているという。菊地氏は「例えば、満員電車で潰されたりしても、不具合などが発生することはほぼないと考えていいでしょう」と語る。

さらに「HP EliteBook 725 G3」ではキーボードに防滴モデルを採用。ちょっと雨に濡れたり、うっかり水をこぼしてしまった場合でも、簡単には故障しない。また、日本語キーボードではカーソルキーの形状が変更されており、より直感的に操作できるよう、逆T字に構成されている。具体的には、カーソルの左右キーが上下キーと同じサイズに縮小されているわけだ。

日本語キーボードの独自仕様となるカーソルキー。左右キーが小型化され、逆T字構成となっている

ポインティングデバイスもタッチパッド、ポイントスティック両方に対応しており、シチュエーションに応じて使い分けることができる。また、このタッチパッドは簡単にON・OFFが可能。「トントンと2回連続で触れることで、簡単にON/OFFが行えるため、誤作動の心配がありません」と菊地氏。加えてセキュリティ面の配慮も忘れておらず、不正な改ざんを防止するBIOS保護や、BIOSからのSSD完全消去機能を始め、業界最高水準のセキュリティ対策が行われているという。

ポインティングデバイスにはタッチパッドとポイントスティックの両方を搭載しており、クリックボタンも上下両方に備えている