普段使いに最適なパフォーマンス。3Dゲームもライトなものなら意外とイケる
それではパフォーマンスを確認したい。まずCPU性能の確認としてCINEBENCH R15のスコアを見てみよう。CINEBENCH R15のCPUスコアは326cb、CPUsingle Coreのスコアは131cbだ。
とりわけ高いスコアではないが、上位クラスのスタンダードノートPCと同程度だ。コンパクトPCではAtomクラスのCPUを搭載するモデルも多いが、そうした製品と比べると本機はさまざまなアプリケーションを動かすような汎用性のある用途でも十分なパフォーマンスを発揮できる。
続いてPCMark 8のHomeスコアを確認しよう。こちらは3656ポイント。デスクトップ向けのクアッドコアCPUでは、統合GPUを用いても4000ポイント台を叩き出すことが多いが、それと比べるとコア数や動作クロックが抑えられている分、低めとなるが、3000ポイント台半ばであるので、家庭向けのマルチメディア用途における性能の不足はほぼ感じずに済むだろう。
もちろん、RAW現像や動画のエンコードなどではより高いパフォーマンスを求めたくなるが、そうした用途はデスクトップ向けCPUや、モバイル向けCPUでもTDP 45W超クラスのCPUに任せたほうがよい。ウェブサイトや写真の閲覧や、映像のデコード・再生、ビジネス文書の作成などの用途が本製品にとってはちょうどよい。
3Dパフォーマンスはどうだろうか。まずは3DMarkで確認しておこう。3DMarkのFirestrike(DirectX 11)におけるスコアは948ポイントだ。やはり統合GPUということもあって、1000ポイントに達していない。3Dゲームをガンガンプレイしたいという用途は難しく、3Dゲームならライトなものを、メインは2Dベースのゲームということになるだろう。
ではどの程度の3Dゲームならば、快適にプレイできるだろうか。まずはドラゴンクエストX ベンチマークソフト。DirectX 9ベースで負荷も軽い本タイトルは、最高品質の1,920×1,080ドットでも「普通」という評価が得られた。プレイ自体は可能と考えられる。
また、1,280×720ドットに引き下げれば「とても快適」という評価なので、フレームレートも十分なものになると考えられる。一方、1,920×1,080ドットのまま標準品質に引き下げた場合は「快適」評価なので、画質を引き下げるよりは解像度を引き下げたほうがプレイしやすいようだ。
ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマークでは、DirectX 11設定ではかなりキビシく、1,920×1,080ドットでは標準品質(デスクトップPC)でも「設定変更を推奨」評価、その1,280×720ドットで「やや快適」評価だ。
しかし、DirectX 9設定にすれば1,920×1,080ドットの標準品質で「やや快適」評価となり、1,280×720ドットで「とても快適」評価になった。「やや快適」評価は25fps前後、「とても快適」評価は45fps前後なので、シーン毎に異なる負荷を考慮すると、DirectX 9、標準品質、1,280×720ドットがプレイする上ではベストな設定と思われる。
最後に、CPU高負荷時とGPU高負荷時の温度を確認しておきたい。コンパクトなPCは、たとえ低消費電力のCPUであっても発熱の処理が最も難しいところ。もちろん、計測時に不安定な動作は見せなかったが、どの程度であるのかは把握しておきたい。
まずCINEBENCH R15のCPUテスト実行中の最大温度は91度に達した。アイドル時やウェブ閲覧時などはかなり静かで、本当にファンが回っているのか不安になるくらいだが、高負荷時にはファンもかなりの音を発していた。3DのレンダリングのようにCPUに高負荷をかけることは、普段の用途ではあまりないが、最大まで負荷をかけるとこの程度の温度になることは覚えておこう。
続いてファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマーク実行中のCPU温度を確認しておこう。こちらは最大94度に達した。ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマークは、GPUのみならずCPUにも高負荷がかかるため、温度もより高くなる傾向にあるようだ。
Core i7-6500UのT Junction値は100度と高めで、これは超えていない点で安心できるが、それに近い温度であることは間違いないので、それなりに通気性のよい場所に設置するのがよく、ホコリの多い場所は避けたほうがよいだろう。