コンパクトベアボーンPCの雄、GIGABYTE BRIXシリーズから、Skylake世代のIntel Core i7-6500Uを搭載した「GB-BSi7HT-6500」が間もなく登場する。BRIXシリーズといえば、手軽さとパフォーマンスの高さが特徴だが、新モデルではそれらがどこまでアップデートされているか、発売に先立って確認してみよう。
Core i7を搭載するハイエンド・コンパクトベアボーン
コンパクトベアボーンは、小型筐体に搭載されたマザーボードに、メモリやストレージ、OSを追加するだけの簡単なステップでPCを組み立てられる点で、最近特に人気となっている。
さまざまなメーカーが製品をリリースしているが、GIGABYTEはそうしたメーカーの中でも草分け的な存在である。そんなGIGABYTEが展開する「BRIX」は、豊富なラインナップに加え、NUCのかゆいところに手が届くスペックで注目を集めている。
本体サイズは119.4×112.6×46.8mmと上から見ればほぼ正方形で、CDジャケットサイズよりもわずかに小さい。NUCと比較してもミリ単位の違いしかなく、ほぼ同じサイズと言える。いかにもPC然とした通常のデスクトップPCとは異なり、デスク上のちょっとしたスペースでもさり気なく設置できる。
「BRIX」は、異なる特徴を備えて複数の製品シリーズを用意しているが、今回レビューを行う「GB-BSi7HT-6500」は、2.5インチストレージが搭載可能な"BRIXs"シリーズに属する。
CPUにSkylake世代のIntel Core i7-6500Uを採用。2コア/4スレッドで、動作クロックは定格が2.5GHz、ターボブースト時のクロックは3.1GHz、TDPが15Wという省電力設計となっている。一般的なノートPCで用いられるTDP 45WクラスのCPUよりも大幅に消費電力を引き下げている。
なお、今回はDDR4-SODIMMをサポートしたGB-BSi7HT-6500をレビューしているが、Core i7-6500U搭載モデルとしては、ちょっとだけ型番が異なる「GB-BSi7H-6500」が先行して投入されている。DDR3L-SODIMMをサポートするほか、インタフェース面でも違いがある。
DDR3L-SODIMMだと若干価格が安い一方で動作クロックが1600MHzに抑えられるので、パフォーマンス、特にグラフィックスパフォーマンスの面で不利となる。目的に合わせて選択するとよいだろう。
豊富なインタフェースで使いやすさを強化
さて、BRIXは豊富なインタフェースを備える点も特徴だ。GB-BSi7HT-6500でもこの点は変わらない。さらに、「GB-BSi7H-6500」から大きな強化が施されている。まず正面に2基のUSB 3.0 Type-Aポートと、マイク/ヘッドホンのオーディオ入出力端子備える。前面のUSBポートは、USBメモリのような頻繁に着脱するようなデバイスを利用するときに便利だ。
そして左側面には、USB 3.0 Type-A×2ポートとともに、マルチカードリーダーを備える。こちらは、キーボードやマウスといった常に接続するデバイスに活用するといいだろう。
背面はギガビットイーサネット、mini DisplayPort、HDMI、ACアダプタ用DCジャックに加え、Thunderbolt 3を搭載する。
GIGABYTEは、Intel 100搭載マザーボードなどを中心に、Thunderbolt 3の積極的なサポートをしている。Thunderbolt 3は、Intelが開発するインタフェース規格の最新バージョンで、最大40Gbpsの転送速度に加え、Alternative Modeを利用してDisplayPortなど、複数のプロトコルを転送できる。コネクタはUSB Type-Cと互換となる。
Thunderbolt 3をサポートするIntel製コントローラ「Alpine Ridge」は、USB 3.1もサポートし、USB 3.1 Type-Cポートとしても使うことができる。
背面にはギガビットイーサネットとmini DisplayPort、HDMI 2.0、Thunderbolt 3(USB 3.1 Type-C×1基)、そしてACアダプタ用ジャックと通気口、セキュリティロックスロット |
Thunderbolt 3は、USB 3.1 Type-Cとともに、いまのところ対応機器がそれほどないが、これからの汎用インタフェースの主流を担う存在として期待される存在だ。現在、実際に市場に投入されているNUCのSkylake搭載モデルには、まだ搭載されていないので、この点はBRIXの大きな武器と言えるだろう。
また、もう1点「GB-BSi7HT-6500」のインタフェース面で大きいのは、HDMIが2,0に対応したことだ。「GB-BSi7H-6500」を含む既存モデルでは、HDMI 1.4aを搭載し、4K/24Hzの出力をサポートしていたが、HDMI 2.0では4K/60Hz出力が可能となる。30/24Hz出力における動きのもたつき、あるいはカクつきが気になるという人にとっては朗報だろう。現在の液晶テレビではHDMI 2.0サポートの製品も多いので、リビングで使うPCとしても最適だろう。