「MousePro」のターゲットと実際の顧客
小松氏によれば、「MousePro」のターゲットは一般法人全般だという。事務用途を中心とした低価格・小型のPCから、ワークステーションまで、さまざまな製品を国内生産。企業ニーズに柔軟に対応できる多品種・小ロット製造を実現している。急な需要や仕様変更にも柔軟に対応できるのが、マウスコンピューター全体の強みだ。では、実際に購入する法人には、どのような企業が多いのだろうか。
金子氏:さまざまなお客さまがいらっしゃいますが、当社では特にグラフィックスに重点を置いたPCを必要とされる企業が多いと思います。具体的にいうと、理工学系の研究室とか、映像・CG・アニメーションの制作現場などですね。ただしこの5年間で、お客さまのすそ野は確実に広がっております。おかげさまで、大量導入していただく事例も増えて参りました。
金子氏:例えば「music.jp」を運営している株式会社エムティーアイさまでは、品質が高く評価され、全体の7割以上が当社のPCとなっています。また「パンパカパンツ」などの制作でも知られる株式会社ディー・エル・イーさまなど、多くのお客様にPCをご使用いただいていますね。
金子氏:当社のPCをご使用いただく理由はさまざまでしょう。もちろん品質はご考慮いただいていると思いますが、拡張性の高さも大きなポイントだと思っています。ただ単に"なんでも搭載できる"という構成ですと、製品的な安定性を損なう場合があるのですが、当社はお客さまとダイレクトにやり取りができるという強みがありますので、シリアルポートや、USBポートを実装した拡張カードを選択できるなどといった柔軟な対応が可能です。
マウスコンピューターが掲げる5つの指標
マウスコンピューターは、顧客の満足度を上げるため、数年前から「日本品質」をキーワードとして挙げている。「日本品質」という社内用語は、5つの品質から成り立っており、現在のマウスコンピューターの指針を示すものだ。
金子氏:当社の小松は社内に向け、日本品質として5つの指標を挙げました。順に、営業品質(正しい案内を行う)、機能品質(使用感/ユーザビリティ)、製品品質(壊れないこと)、応対品質(サポート体制)、修理品質(誠実で素早い故障対応)です。どれも当たり前のことかもしれませんが、こういった品質をひとつずつ向上させるとともに、お客さまの声をきちんと受け止めることで、ご納得いただける提案を目指しています。品質向上への取り組みという本質的な部分を認めていただき、当社ブランドのファンを増やすことが、製品をご購入いただくうえで最も重要なことだと考えています。