マウスコンピューターが法人向けブランドとして展開している「MousePro」が、今年で設立5周年を迎えた。PCのコモディティ化が進む中、企業からの信頼を順調に勝ち取っているこの「MousePro」。ブランドイメージを着実に向上させている理由とはなんだろうか。マウスコンピューターの社長を務める小松永門氏と同コーポレート営業部の方に、同社の取り組みを伺ってみよう。
株式会社マウスコンピューター 代表取締役社長 小松 永門(こまつ ひさと)氏 |
株式会社マウスコンピューター コーポレート営業部 部長 金子 覚(かねこ さとる)氏 |
株式会社マウスコンピューター コーポレート営業部 有藤 俊(ありふじ しゅん)氏 |
「MousePro」ブランドが設立された経緯
「MousePro」ブランドが設立されたのは、2011年2月。グラフィックスを搭載したPCやハイエンドワークステーションに対して法人需要があることを見出したが、「マウス」ブランドの特徴でもある「新技術やトレンドをいち早く取り入れる」ことによる製品サイクルの早さゆえに、法人の顧客を定着させることができなかった。コーポレート営業部の金子氏はこのころ、法人ニーズに対して自問自答を繰り返していたという。
金子氏:「MousePro」の立ち上げを後押ししたのがWindows XPのサポート終了でした。法人需要が大きく見込まれる中、"マウスコンピューターにはマーケットに法人の顧客の需要にフィットしたブランドが必要"という思いが小松と私にありまして。1年ほどの期間をかけて「MousePro」を立ち上げたのです。
「MousePro」ブランド確立のための課題
この法人向けブランド「MousePro」の立ち上げについて、小松氏は「MouseProという法人向けのブランドの設立にあたり、"マウスコンピューターはこれから法人向けビジネスに真剣に取り組みます"というメッセージを伝えたかった」と語る。しかし、法人向けブランドとして製品を販売していくうえで、クリアしなければならない課題もいくつか見つかってきたという。
小松氏:製品のラインナップや構成やSKUといった面では、当時すでに既存の個人向けブランドである「マウス」や「G-Tune」ブランドですべて対応可能でした。しかし個人向けブランドは、個人ユーザーのニーズは満たしていても、法人ニーズは汲み取りきることができていなかったのです。個人と法人では、スキームの違い、品質の違い、サポートの違いの3つの異なるニーズがありました。
次ページでは、個人向けビジネスと法人向けビジネスの違い、そしてその対策として「MousePro」が行った内容について、小松氏に詳しく伺っていこう。