コンパクトな筐体の施されたさまざまな工夫
小林氏:他にも、「LITTLEGEAR」にはさまざまな工夫がなされています。ケース左サイドに取り付けられている金属製のケージは、跳ね上げて内部にアクセスできるほか、スライドして取り外すことができます。このケージにはストレージやファンを取り付けることが可能となっております。「Radeon R9 Fury X」を搭載する場合は、このサイドファンスペースに液冷ユニットを取り付けています。ストレージは2.5インチドライブ×2、3.5インチドライブの計3台を搭載できる形となっております。
左サイドパネルを外した「LITTLEGEAR」。ストレージやファンを搭載できる金属製のケージが取り付けられている |
ケージは取り付けた状態のまま上方に跳ね上げることができ、グラフィックスカードやメモリに簡単にアクセスできる |
ネジを外し、枠組み上部の接合部からスライドさせることで、ケージを取り外すことが可能 |
ケージには2.5インチ×2、3.5インチ×1のストレージに加え、ファンを取り付け可能。液冷ユニットのラジエーター搭載時にも利用される |
小林氏:また右サイドにも2.5インチベイ×1を備えています。お持ちしたのはH110 Expressマザーボード搭載モデルとなっておりまして、背面にM.2スロットを備えているため、こちらにM.2ドライブを搭載することもできます。このM.2用スペースを確保するため、ベースモデルから金型を変更しています。ただしそのぶん、2.5インチベイは9.5mm厚対応から、7mm厚対応となってしまいました。マザーボードベースもCPUの背面を大きくくり抜いてありますので、コンパクトモデルですがCPUクーラーの換装もしやすいはずです。
小林氏:サイドパネルはその面積のほとんどがメッシュパネルとなっております。メッシュの周囲はプラスチック製ですので、非常に軽量です。これは、持ち運びを踏まえて筐体の重量を減らすためです。剛性は筐体側金属フレームで確保しております。その他、掃除のしにくい底面吸気スペースには取り外し可能なフィルターを備えるなど、メンテナンス性も考えた設計を行っています。
「Radeon R9 Fury X」を搭載するため発売直前に金型変更
杉澤氏:PCケースはスタートからリリースまで、早ければ半年程度の期間で開発するのですが、こちらのケースに関しては発売まで1年以上かかりましたね。本当は6月から販売する予定だったんですが、そのころ同時にAMDの「Radeon R9 Fury X」が発表されまして。弊社のG-Tune : Garageで日本初のお披露目を行おうとグラフィックスカードを取り寄せて「LITTLEGEAR」を組み上げたのですが…… 取り付けられなかったんですよ(笑)。電源の差し込み口が干渉してしまい、イベント当日は電源コネクタが尻尾のように出た状態で行いました。しかし最新のフラグシップグラフィックスカードを搭載できないで、なんのための新ケースかと。そこで急きょ電源コネクタの位置を修正するよう、金型の修正を行いました。