クラスDアンプ「DDFA」による高いスピーカー駆動力
ネットワーク機能と並ぶDRA-100のもう1つの特徴が、長年Hi-Fiオーディオを追求してきたDENONのノウハウによる高音質設計だろう。デジタル回路からアナログ回路までさまざまなHi-Fi技術が利用されているが、中でも注目したいのは、クラスDアンプ「DDFA(Direct Digital Feedback Amplifier)」を搭載していることだ。デジタル信号を直接入力できるDDFAは、ソースがデジタルデータであれば、入力から最終段となるPWM変調まで音質を劣化させることなくすべてデジタルのまま処理を行うことができる。またニアフィールド再生を前提としたPMA-50に対し、DRA-100の出力は70W+70W(4Ω)と40%もの上昇を実現。もともと高かったスピーカー駆動力に磨きがかかり、リビングなどの広い空間での再生にも対応できるようになった。
70W+70W(4Ω)もの出力を誇るクラスDアンプ「DDFA」によって、高級オーディオスピーカーもらくらくと駆動。さまざまなスピーカーと接続できるよう、バナナプラグなどにも対応できる端子が搭載されている |
ヘッドフォン出力用に専用アンプを用意
高いスピーカー駆動力を備えたクラスDアンプを搭載しているといっても、日本の住環境でヘッドフォンは欠かせない。むしろスピーカーよりも高価なヘッドフォンを所有しているという人も少なくないはずだ。DENONはそんなヘッドフォン再生にも力を入れている。スピーカー用パワーアンプとは別に、ヘッドフォン出力専用のアンプを搭載。電圧増幅段に高速オペアンプを採用、出力バッファーはディスクリート回路とし、ヘッドフォンでもスピーカー再生に負けないサウンドを実現した。また昨今のヘッドフォン人気でインピーダンスの高いモデルも増えているが、そんな製品でもしっかりとした音量が得られるよう、3段階のゲイン切り替え機能も備えている。
さらに、デジタル回路を正確に同期させることでジッターの発生を抑制する「マスター・クロック・デザイン」や32bitまでのハイビット化処理に対応したアナログ波形再現技術「Advanced AL32 Processing」など、DENONが培ってきたHi-Fiオーディオテクノロジーも採用。オーディオファンも満足するハイクオリティな音楽再生が楽しめるだろう。
5mmのアルミニウムパネルが外部振動を抑制
これらの高音質コンポーネントを収めているのは、5mmにも及ぶアルミニウムパネル。この剛性の高いパネルによって外部からの振動を抑制し、音質への影響を最小限に抑えている。しかし、オーディオ機器に求められる剛性を確保しながらも美しい佇まいは忘れておらず、前面のディスプレイには有機ELを採用。入力ソースやアーティスト名や曲名、インターネットラジオ局などをしっかりと表示する。ディスプレイの明るさは3段階で調節可能だ。
プリアンプとしての機能も抜かりは無い。アナログのライン入力2系統、同軸デジタル入力1系統、光デジタル入力2系統を備え、さまざまな外部機器の入力が行える。またライン出力やサブウーファー出力も備えているため、2.1ch再生にも対応が可能だ。小型サイズながらも、ネットワークだけでなく、リビングのオーディオ機器の中心として活躍してくれることだろう。