ユニットコムのiiyamaブランドが手がける新進気鋭のゲーミングPCといえば「LEVEL∞」。ノートPCから本格的デスクトップ機まで様々な製品を展開しているが、その中でも最も日本人ユーザーの物欲を刺激する製品がある。幅178mm、高さ260mmという小さなボディにCore i5＋GTX960を収めた「Lev-C000-i5-RMSM」がそれだ。今回テストしたのは、CPUにはCore i5-4460に8GBメモリ×1枚、ストレージは240GBのSSD＋光学ドライブ、そしてOSはWindows 8.1 Updateという構成で税別10万9,980円という即納モデル。その実力を早速チェックしていこう。

小型かつデザインも良好なゲーミングPC「Lev-C000-i5-RMSM」

ケース設計の完成度は非常に高い

デスクトップ機は冷却力や拡張性の面でノートよりもはるかに優れた選択だが、設置場所がネックになりやすい。しかしLev-C000-i5-RMSMなら、本体を机の上に置いても圧迫感の少ないレイアウトが可能になる。日本人の住環境に最適なスタイルだ。

Lev-C000-i5-RMSMのスイッチやドライブベイは視線から巧みに隠されており、一見すると大きめの外付けHDDやUPSのようにも錯覚してしまう。フロントパネルにはLEVEL∞のロゴのみで、スイッチやUSBポート等も見当たらない。すべてパネルの継ぎ目や影に隠れるように配置されている。

電源スイッチやフロントUSB3.0等はフロント右側面に隠れている

本体手前上面の隙間にスロットイン光学ドライブの挿入口がある。安易にノートPC用の光学ドライブを使わず、あえてスロットイン式を選択した点は素晴らしい。ただし光学ドライブ搭載モデルは残念ながら売り切れ次第終息になる

本体のトップパネルはわずかに後方へスライドさせることができるが、これは光学ドライブのイジェクトボタンを露出させるためだけの設計。常時露出させてもいいはずだが、デザインへのこだわりからこのような可動式にした、ということだろうか

Mini-ITXマザーを使っているため背面のインタフェースは必要最小限。DVIとD-Sub15ピンはマザー側にもあるが、ビデオカードが装着済みなのでマザー側のものは基本的に使えない

底面から吸気する設計なので、底面には着脱式のダストフィルタを装備する。ワンタッチで外れ、丸洗いするだけの簡単な設計だ

製品に同梱されるキーボードとマウス。本体の質感に比べるとチープであることは否めない。製品の動作確認用とし、ゲーム用ならもう少し本格的なものを別途組み合わせてもよいだろう

メンテナンス性も考え抜かれた設計

内部のレイアウトは外見以上に合理性と機能性を重視したものとなっている。通常のATX電源(80PLUS Silver認証済)をフロント側、Mini-ITXマザーをリア側に配置することで本体の幅と高さを抑えている。この配置だと奥行きが長くなる(368mm)が、ミドルレンジ以上のビデオカードを格納するスペースが必要なのでむしろ好都合。さらにドライブベイはマザーの上(正面から見ると左サイド)にすることで、省スペース製を損なわず収容力を確保している。

さらにほぼ全面に吸気口やメッシュ構造を採り入れることで、小型キューブケースでネックとなりがちな熱問題を解消……と、実によく考えてある。極めて優秀なPCケースの設計だ。

サイドパネルを外すと巨大なステー兼ドライブのマウント用金具が露出する。これは両側のネジ3本を外すだけで取り外せる。CPUクーラーが見える大きな開口部は、後述する水冷ユニットを固定するためのもの

ステーを外したところ。小型PCにしては恐ろしくメンテナンスが楽な設計だ。フロントとトップパネルはケースのシャーシから若干浮いているが、そこから空気を取り込めるようになっている

MSI製のH81搭載Mini-ITXマザーと、BTO系PCではおなじみのCoolerMaster製トップフロークーラーの組み合わせ。今回テストした即納モデルではシングルチャンネルメモリだが内蔵GPUを使うわけでもないので大きな問題はない

ドライブベイはステーの真裏に隠れている。3.5インチ1台に2.5インチが2台固定できる。さらにマザーの裏側にも2.5インチ用のベイが存在するができるが、そこまで使うことはあまりないだろう