オフィスでデスクワークを行う上で、「ディスプレイを使わない」という人はいないだろう。つまり、就業時間中は必ず向き合っているワケで、ディスプレイはそれだけ人間と密に接しているデバイスだといえる。筆者の会社は編集プロダクション。ライター4名が常駐しているほか、外部スタッフがスケジュールに合わせて事務所に詰めるというスタイルで業務を行っている。取材や打ち合わせを除けば、ず~~~~っとPCの前に座っていることが多い、比較的劣悪!?な仕事環境でもある。今回は、そんな環境の中でディスプレイを交換すると、どのような変化があるかを実験してみることになった。その結果は……。
肉体的ダメージが大きい「編プロ」という職場……
冒頭で述べたように、弊社は編集プロダクションであって、いわゆるコンテンツ制作全般を引き受けている会社だ。Web、紙、モロモロと媒体がある中で、限られたスペースを使ってメディアの編集部や広告クライアントが望むコンテンツを作ることで報酬を得ている。編集プロダクションといっても、当社の業務の中で最も大きな割合を占めているのがコピーライティング。いわばライター業が業務の大半を占める形だ。つまり、ディスプレイに表示されるエディターに向かって、「ああでもない……こうでもない……」と文字をひねり回したり、図版や画像をコンテンツに合うように加工したりするのが日常というわけだ。
そんな毎日を続けていると、悩まされるのが肩こりや目の痛み。デスクワーク中の姿勢や体力、筋力、ストレスなど、これらの原因は様々だと思われるが、筆者は、最も影響の大きい要素の1つが、今回のテーマとなる「ディスプレイ」だと思っている。
というのも、筆者を始め、弊社スタッフ、あるいは外部スタッフの面々のほぼ全員が何かしらの持病を持っていて、程度の差こそあれ、夕方になると「肩がパンパン」「目がつらい」「目薬を使い切った」「だれか肩もんで(知るか!)」……というぼやきがあちこちから聞こえてくるのだ。
一般企業でも内勤の事務職などは、ほぼ同じ境遇だと思われるが、編プロの場合、繁忙期ともなれば、この状態が1日、2日、3日……と連続して訪れることになる。場合によっては24時間ディスプレイの前に座りっぱなしということもある。
環境的には劣悪。もはや原因がディスプレイなのかどうかが怪しい気がしないでもないが……とにかく、少しでも状況が改善できるのであれば調査しておくのもいいだろう。ということで、今回の企画をありがたく頂戴して、実現の日を心待ちにしていたのであった。
気になる「フリッカーフリー」の体感的な効果
さて、後説になってしまったが、今回の企画とはベンキュージャパン社の「フリッカーフリー」機能を搭載したディスプレイを企業が導入したらどのような効果があるのかを実測値でレビューするというもの。個人差が大きい体感的な問題なので数値化は難しいが、弊社スタッフは一応プロのレビュアーでもあるので、公正なコメントなり感想なりは得られるはずである。届いたディスプレイは以下の4機種。以前の環境と合わせてリストアップしておくので、ご確認いただきたい。
ちなみに「フリッカーフリー」とは、ベンキューのディスプレイ製品が採用しているもので、バックライトの輝度レベルを調整した際に発生する"ちらつき"を無くす機能のこと。視認できるちらつきだけでなく、人の目では判別できない周波数帯で発生している可能性もあり、これが人体に大きな影響を与えているとする研究結果もある。近年問題視されてきたブルーライトとともに、改善していきたいディスプレイの課題でもあるのだ。
今回の試用モデルはコチラ!
・マルチメディアモデル
・ハイコストパフォーマンスモデル
・オフィススクールモデル
試用前の(劣悪な!?)旧環境は3タイプ
レビュー環境にはスタッフの好みによる3タイプを選んでみた。1つは「ディスプレイは1個で十分!」と豪語するK。「ディスプレイが2つあるなら、解像度も画面サイズも選ばない」というスタッフA。そして、いつも唐突に現れて、急いで原稿を仕上げて去っていくケースが多い、ノートPC持参の外部スタッフIとなる。
・タイプA(シングルディスプレイタイプ)
・タイプB(デュアルディスプレイタイプ)
・タイプC(ノートPC接続タイプ)
当社では、スタッフの好みに応じてPCやディスプレイを割り振るのが通例なので、ディスプレイの数を限定することはない。ただ、結果として机上スペースに応じてスタイルを選ぶことになる(1人だけ、やたらと古いディスプレイを並べているスタッフがいるが……これは別に社内で虐げられているワケでも何でもなく、本人の希望によるものだ)。
話を元に戻そう。このような環境でPCを使い続けるスタッフは皆、やはり何らかの症状を訴えている。スタッフKは肩こり、スタッフAは肩こり+首の痛み、スタッフIは目の乾きと痛みといった具合だ。症状の程度については個人差があるので割愛するが、基本的に彼らにはレビュー内容の詳細を告げず、単純に「ひとまず1週間使ってみて、後で感想を教えて」とだけ伝えている。