2015年4月6日、ヤマダ電機グループのProject Whiteから、eX.computerブランドの4K(3840×2160ドット)対応ハイエンドPCが発売された。ラインナップはQuadroモデル「RA7J-A63/4KE」とゲームモデル「GX7J-A63/4KE」の2機種となり、「GA7J-A63/4KE」については4K液晶モニタを同時購入することで「4Kモニタ相性保証」を受けることができる。

この「4Kモニタ相性保証」とは、"PCとモニタを接続しても画面が映らない"といった相性問題が発生した際に、「VBIOSを含むソフトウェアの変更、またはグラフィックスカードを同等スペックの別モデルと交換、4Kモニタを別製品と差額にて交換」という対応を受けることができるサービスだ。4K解像度での動作を想定したモデルとはいえ、いまだ対応製品が少なく、相性問題によって想定した解像度やリフレッシュレートが実現できなかったという話もあるため、こういったサービスを受けられるのは安心と言えるだろう。

マルチグラフィックス構成も選択できる4K対応モデルと、ASUSの4K液晶ディスプレイ「PB287Q」

だがPCゲームの世界は、いまだにフルHD(1920×1080ドット)という解像度がメインとなっており、ゲームやグラフィックスカードの性能もこのフルHDを基準として設計されている。3840×2160ドットといえば、1920×1080ドットの4倍の解像度だ。当然、それに準じてPCへの負荷も高くなる。果たして4Kでのゲームは実用に成り得るのだろうか。今回は、4K対応モデルのゲーミングPC「G-GEAR GX7J-A63/4KE」と、ASUSの4K・28型液晶ディスプレイ「PB287Q」をもとに、求められる要件を検証していきたいと思う。

ツクモの4Kモニタ対応ゲーミングPC「G-GEAR neo GX7J-A63/4KE」

ストレスなく4Kのメリットを享受するために必要な4つの要素

4K解像度をストレスなく動作させるためには、PCスペックが必須となる。特にCPUのコア数や動作クロック、十分なメモリ容量、4K出力対応のグラフィックカード、データを読み出すためのストレージという4つのパーツには高性能な製品が欠かせないだろう。さらに最新の3Dゲームを動かすためには、グラフィックカード自体のGPU性能やグラフィックスメモリも必要とされる。そんな4Kゲーミング事情を踏まえて設計された「G-GEAR GX7J-A63/4KE」試用機のスペックは以下の通りだ。

■ 試用機詳細スペック
型番 G-GEAR neo 4Kモニタ対応PC GX7J-A63/4KE カスタマイズモデル
CPU Intel Core i7-4790K(定格4.0GHz、TB時最大4.4GHz)
チップセット インテル Z97 Express (ASUS Z97-A)
メモリ PC3-12800 DDR3L 8GB (4GB×2) SanMaxテクノロジーズ製
グラフィック NVIDIA GeForce GTX 970 / 4GB
【SLI接続】 NVIDIA GeForce GTX 970 / 4GB
ストレージ SSD 256GB MLC (CFD 東芝 HG6y / SATA 6Gbps)
光学ドライブ DL対応 DVDスーパーマルチ
電源ユニット CORSAIR製 CS750M (定格750W)、80PLUS GOLD認証
ケース CoolerMaster製 CM 690 III (CMS-693-KKN1-JP)
OS Windows 7 Professional 64ビット
構成価格 シングルGPU構成:184,464円(税込・2015年4月中旬現在)
SLI接続構成:238,464円(税込・2015年4月中旬現在)

「G-GEAR GX7J-A63/4KE」カスタマイズモデルのCPUは、メインストリーム最上位のDevil's Canyonことインテル「Core i7-4790K」となる。4コア8スレッドで動作し、クロックは標準で4GHz(ターボ・ブースト時には最大4.4GHzまで上昇する。なお標準モデルは若干クロックの低い「Core i7-4790」だ。コア数だけで見ると、より多くのコアを内蔵するX99プラットフォームも存在するが、コストと性能のバランスを考えるとベターなチョイスと言えるだろう。メモリは、64bit版Windowsを搭載したデスクトップPCとしては標準的な8GB。ストレージには東芝製の256GB SSDが搭載されており、OSの立ち上げからアプリケーションの軌道まできびきびとした動きを見せてくれる。標準モデルでは1TBのHDDとなるが、体感速度に大きな違いが出るため、ストレージはぜひSSDを導入したい。

CPU-Zで見たCPU「Core i7-4790K」

4K対応モデルにおいてもっとも重要なグラフィックスカードには、NVIDIAの「GeForce GTX970」を搭載している。第2世代Maxwellを採用したこのグラフィックスカードは、高いグラフィックス処理能力を実現しながらも消費電力を抑えることに成功しており、非常にワットパフォーマンスに優れた製品だ。グラフィックスメモリ周りでひと騒動あったものの、それでも十分な容量を備えており、お買い得度はいまだ高い。なお、試用機に搭載されていた製品は、GALAXY製のリファレンス準拠モデルだった。

GPU-Zで見たグラフィックスカード「GeForce GTX970」

ハイエンド譲りの3Dグラフィックス処理能力を備えた、NVIDIAのグラフィックスカード「GeForce GTX970」

試用機に搭載されていたモデルはGALAXY製で、動作クロックやクーラーはリファレンス準拠となっている。出力端子として、DVI×2、HDMI、DisplayPortを備える

しかし4K解像度でのゲーミング環境を考えるのであれば、それでもなお処理能力が不足するかもしれない。そんなハイエンド環境を踏まえ、「G-GEAR GX7J-A63/4KE」のBTOカスタマイズでは上位モデル「GeForce GTX980」や「GTX970 SLI構成」、「GTX980 SLI構成」なども用意されている。今回は特別に「GeForce GTX970」を一枚余分にお借りしているので、次ページでの検証にあたってはSLI構成での数値も確認することにしよう。

「GX7J-A63/4KE」のBTOカスタマイズでは、4K解像度での3Dゲームという高負荷環境を鑑みて、GeForce GTX970のSLI構成も選択できる