Radeon R9 280をセミファンレスで駆動
「STRIX-R9280-OC-3GD5」は、前述のとおりGPUにAMD Radeon R9 280を搭載したグラフィックスカードだ。最近のAMDはコストパフォーマンスを重視した製品を投入しているが、AMD Radeon R9 280でも2万円台前半からという価格ながら、高い処理能力を備える。「STRIX-R9280-OC-3GD5」は、コストパフォーマンスに優れたRadeon R9 280を独自にクロックアップしてさらにパフォーマンスを高めている。
STRIX-R9280-OC-3GD5の主なスペック | |
製品名 | STRIX-R9280-OC-3GD5 |
---|---|
GPU | AMD Radeon R9 280 |
コアクロック | 980MHz |
メモリ | GDDR5 3GB |
メモリクロック | 5,200MHz |
メモリバス | 384bit |
電源コネクタ | 8ピン×1、6ピン×1 |
インタフェース | DVI-I×1、DVI-D×1、HDMI×1、DisplayPort×1 |
さて、世の中に静音をうたうクーラーは数多く存在するが、それらはあくまで"静か"であるにすぎない。「STRIX-R9280-OC-3GD5」に使用されるGPUクーラーの特徴は「ゼロノイズファン」にある。GPU温度が65度を超えたときにのみファンが回る超静音設計を採用しており、Webブラウジング中や2Dゲーム、さらに負荷の低い3Dゲームにて「0dB」、つまり"無音"で動作するのだ。
一方、負荷の高い3Dゲームをプレイする際にはファンを確実に動作させ、高い性能と安定したゲーミング環境を実現できる。このゼロノイズを実現しているのが、ASUSのオリジナルGPUクーラー「DirectCU II」だ。
「DirectCU II」は、直径10mm×1、8mm×2、6mm×2、計5本のヒートパイプをコアに直接密着させることで、GPUの発熱を素早くフィンへと移動させることに成功している。この効率の良い熱移動により、低負荷時にはファンを動かすことなくGPUコアの冷却が可能なのだ。もちろん高負荷により発熱が増えた際には、デュアルファンが静かに、かつしっかりとフィンに移動してきた熱をケース内へ発散してくれる。ASUSによれば、リファレンスクーラーに比べ高負荷時の冷却性能は38%、静音性能は3倍にも及ぶという。
動作クロックを引き上げても安定した動作が行える秘密は、ASUSのオリジナルデザイン基板と「Super Alloy Power」にある。「Super Alloy Power」とは、コイル鳴きを抑え、最高35度の低温化を実現したチョークコイル(Super Alloy Choke)や、リファレンスモデルよりも公称2.5倍の耐久性を誇る高耐久コンデンサ(Super Alloy Capacitor)、対応電圧を30%拡大したMOSFET(Super Alloy MOS)、そしてオーバークロック時の安定性を向上させるGPU専用コンデンサ(SAP CAP)などのASUSオリジナル部品の総称だ。ASUSのビデオカードを選択するユーザーが多い理由は、こういった設計部分からの見直しにもあるだろう。
パフォーマンスや静音だけでなく、ユーザーからの声を反映し、使い勝手にも注力されている。強力な冷却性能とトレードオフで重量が増しているGPUクーラーをしっかりと支えてくれる金属フレームがその1つ。GPUクーラーの重みからもたらされるグラフィックカードの歪みを減らしてくれるだろう。またPCI-Express補助電源コネクタは接続時にツメが上向きとなるよう設置されているほか、ケーブル挿入時にLEDランプを点灯することで確実な接続が行える。
ASUSのハードウェア設計技術がつぎ込まれた「STRIX-R9280-OC-3GD5」。次ページでは実際にゲームを動かして、どんなゲームならゼロノイズで動かせるのかを検証してみよう。