U2711の付属品には「色補正完了証明書」がある。ディスプレイの色を正しく調整するのはなかなか難しいことだが、工場出荷時にAdobe RGBモードとsRGBモードなどの色補正が行われているため、ユーザーは安心して利用できる。
プリセットモードとしては、標準、マルチメディア、ゲーム、暖色、寒色、Adobe RGB、sRGBと多彩に用意されており、その他にユーザーが自由な設定を行えるカスタムカラーモードが存在する。普段は目に優しく、暗めの設定をカスタムカラーで行っておいて、色の重視される作業では別モードに切り替えるというのも簡単だ。作業内容に合わせた色設定を簡単に選択できるため、常に最適の色環境で作業できるというのも魅力になっている。
カスタムカラーでの調整は、本体右側にあるボタンで行える。設定項目の内容は全て日本語化されているため、迷うことなく設定できるだろう。また、表示言語は英語や中国語を初め、スペイン語やフランス語などにも変更可能となっている。
大型IPSを活かし、効率的・機動的な環境構築を
2つのディスプレイを並べて作業するデュアルディスプレイ環境では、双方をわずかに傾け、中央の作業者が顔を左右に振ればほぼ正面から見られるように設置するのが一般的だ。これは液晶を斜めに見ると色が変化するのはもちろん、見づらくなるという問題を解決するためのものだ。しかしIPS液晶ならばこうした気づかいはいらない。どこから見てもはっきり、正しい色で見えるIPS液晶は、中央に座って左右を見ても疲れにくい。
27型ワイドディスプレイを目の前に据えると、最初はかなり大きく感じられるが、すぐに慣れてしまう。むしろ、物理的な大きさと高解像度がもたらす広さと、その快適さの魅力に気づくはずだ。普段ノートPCを使っているならば、U2711と組み合わせてデュアルディスプレイ環境として作業をするのも良いだろう。
特に、DTPデザインや映像系メディアを手がけるSOHOユーザーであれば、普段は17型ワイドクラスのデスクノートや「Vostro 3700」などのモバイルワークステーションと組み合わせて利用し、緊急時にはマシンのみ発注元に持ち込んで作業できる機動的な環境を作るというのも、十分現実的な選択のはずだ。
狭い机に資料をつみあげ、めくっては閉じ、閉じては開きという作業を繰り返し、時には捜し物をしたり、机から落としてしまったりという作業が非常に無駄であることは誰にでもわかる。小型ディスプレイの画面だけで作業をするのは、それに似た状態だ。効率的に仕事をするための環境設備として、ぜひU2711を活用してほしい。
■試用機の主な仕様 | |
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Dell UltraSharp U2711 | |
27型ワイド | |
2,560×1,440(WQHD) | |
左右178度、上下178度 | |
350カンデラ | |
80,000:1 | |
DisplayPort、HDMI、DVI-D(HDCP)×2、D-Sub、コンポーネント、コンポジット、USB 2.0×5(アップストリーム×1/ダウンストリーム×4)、8-in-1メディアカードリーダ、Dell サウンドバー用電源コネクタ | |
W646.71×H427.83×D199.95mm/約7.72kg | |
DVIケーブル、DisplayPortケーブル、D-Subケーブル、USBケーブル | |
約58,800円(デル・オンラインストア価格/2010年5月10日現在) |
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