コンシューマー向けデスクトップPCでは、液晶ディスプレイはもちろんのこと、ディスプレイ一体型モデル、いわゆるボードPCも数多く登場しそのサイズは年々大型化しつつある。一方、ビジネス分野ではまだまだ17型ワイドから19型ワイドを使用しているユーザーが多いはずだが、何も大型ディスプレイの有用性はコンシューマーに限った話ではない。ビジネスユーザーにとっても十分役立つものだ。

ビジネスで利用することを考えると手頃なのが、業界トップクラスの画面解像度2,560×1,440(WQHD)を実現した、27型ワイドパネル搭載「Dell UltraSharp U2711」だ。さらに大型なディスプレイを選択すれば作業領域を広げることはできるが、視線の移動が多いと疲れやすいだろう。

「Dell UltraSharp U2711」は、複数ウィンドウを広げての作業もしやすい。ノートPCと接続し、作業はノートPCのディスプレイで行う方法もある

U2711であれば、スタンドの高さを調整し、一番低く設置すると、高さは一般的な17型ディスプレイとあまり変わらない高さになる。これならばオフィスでも極端な圧迫感がないはずだ。高さ調整は非常に簡単で、真上から押す、または真上に引き上げるだけでスムーズに調整でき、好きな位置で止めることができる。角度調整や開店もスムーズに行えるため、仕事しやすいポジションが容易に作れるだろう。

手持ちの17型ディスプレイとの比較。全体の大きさには差があるが、高さの差が少ないことに注目

もっとも低くスタンドを調整した場合、机に座って若干見下ろすような姿勢で使うこともできる

上下の角度調整もスムーズに行える

広いデスクトップ環境が欲しいだけならばマルチディスプレイという選択肢もあるが、PC側に複数のディスプレイに出力する機能が必要になる。また、いくら狭額縁モデルが増えているとはいえ、真ん中に2つ分の額縁が存在するというのは邪魔だ。真ん中を避け、左右に振り分けて作業することになる。どうしても優先的に作業する場所ができるため、片側に傾いて作業し続けることになるから、疲れもたまりやすい。その点、1枚の大型ディスプレイならば簡単に接続でき、真ん中を広々と使って作業することができる。

またU2711は、解像度2,560×1,440と非常に高解像度なのもポイントだ。いくら画面サイズが大きくとも低解像度では、ウィンドウが大きく表示されるだけで「広い」という実感が出づらい。この解像度のおかげで、たとえばフルHD映像を原寸表示しながら、資料を参照するというような使い方も可能になる。広い色域と高精細な色彩を特徴としている機種だけにクリエイティブな作業で使われることも多いだろうが、事務作業だけでなくそうした場でも活躍してくれるはずだ。

角がしっかりある、シンプルなデザインも評価したい。一見すると電源ボタンや画質調整用ボタンすらないように見えるが、実は右下角が電源ボタンになっている。この上部分が各種設定ボタンになっており、黒地に黒の小さな突起が配置されているだけだが、指を近づけると反応し、ふわっと光る。普段は目立たずすっきり、必要な時にはしっかり反応という使い分けがうれしい。スタンドにはケーブルマネジメントに使えるホールが設けられており、ディスプレイを低く設定すると前からは完全に見えなくなる位置にある。これで、ケーブル類を隠し非常にすっきりとまとめることができる。

スタンド上部にケーブルマネジメント用のホールが存在

電源ボタンは本体右下。付近に指を近づけると設定用ボタンも光る