――そんな中でも、いまやアニソンは万国共通のものとなっています
ささき「僕がビックリするのは、たとえば香港で全部日本語で歌っても、みんな全部わかっているんだよね。トークまで日本語でもわかっている。そういった国際的感覚というのは、やはり日本人とはちがうんですよ。日本人は閉鎖的というか、自分たちだけでいい、みたいなところがある。だから、最近ではアジアの方々のパワーに負けているんじゃないかなって思います。海外にも出るぞっていう意気がなくなってきているんじゃないかなって。だから、それをアニソンで突破できるなら、それはそれですごいことだと思います」
――まだまだ海外では通用しないと思っている人が多いですよね
ささき「僕だってそう思っていたもん(笑)。でも、何年も前から影山(ヒロノブ)たちが行きだして、『いや、すごいんですよ』って話を聞くと、それだけ日本の文化として、はっきりと育っているんだなって思いますね」
――そこから日本語を学ぼうとするきっかけにもなるわけですからね
ささき「やはり日本文化には、もっと日本人が自信を持たなければいけないと思いますね。ニューヨークでも、ヨーロッパでも、日本の文化が大好きなのに、日本人だけが、『日本は文化がごちゃ混ぜで』って、ちょっと卑下しちゃっている部分がある。どこの文化だって何かしらの影響を受けて育っていくわけだから、ごちゃ混ぜだっていいと思うんですよ。だから、今年はニューヨークに行くんだけど、さらにその先も考えようって、マネージャーと相談しているんですよ。これをきっかけにいろいろなことをやってみようと思っています」
――夢が膨らむ2011年ですね
ささき「国際的に日本の文化を発信する一番手っ取り早い手段だと思うんですよ。すでに浸透しているものだから。だから、何箇所かで成功すれば、皆さんももっと目を向けてくれると思うので、まずは頑張らないといけないですよね」
――海外の方もささきさんがいらっしゃるのを待っていると思いますよ
ささき「よく言われるんだけど、なかなかね(笑)」
――アニぱら音楽館でもささきさんに出てほしいというリクエストが長年あって、今回念願叶っての出演となったわけですし
ささき「そうやって待ってくれるというのは本当にうれしいですよね。普通は待っている間に忘れられちゃうんだけど(笑)。まだまだ頑張れるかなって思います。先日のコンサートでも二十数曲を歌ったわけですが、最初はそんなに声が出るのかなとか、体力があるのかなって思っていたんですよ。でも、実際にやってみると意外と楽で(笑)。冗談で『この倍は』って言ったけど、それぐらいできそうな気がしたので、まだまだ大丈夫だなって思いました」
――番組を観てくださる方も、まだまだいけるって元気づけられると思います
ささき「そうですね。僕も、2日のコンサートの次の日からジムに行ったんですよ。そうしたら、携帯のニュースになっていたらしくて、インストラクターの人から、『今日はいらっしゃらないと思ってました』って言われて、だから『酒抜きに来たよ』って(笑)。でも、そうやって体力を保っていないと、声はすぐダメになってしまう。歌を歌うだけでもすごいエネルギーを使うのに、ステージではいろいろな動きやアクションがあるので、すごく体力がいるんですよ」
――ささきさんのステージは本当にパワフルですからね
ささき「僕の歌の理論に、"ターザン理論"というのがあるんですよ。ターザンが『ア~アア~』って言うだけで、何か全てが伝わってしまう。歌も同じで、本当は詞も何もなくても、声だけ出せば、それで感動させられるのではないかと思うんですよ。歌詞ももちろんだけど、やはり重要なのは声で、こちらが思っている声を出せば、それが伝わるんじゃないかと。孫なんかを見ていると思うんですよ。日本語もわからないのに、僕の歌を聴いて興奮しているわけですから。これは僕の声で気持ちが伝わっているんだなっていう気がしますね」