――ささきさんの声は特に人を安心させる力があるような気がします

ささき「そういうことを言ってくださる方もいらっしゃいますね。子どもを包み込む優しさみたいなものはずっと持ってきたものだから、たぶんハートが大事なんだと思います。声質というのもありますけど」

――先ほどの神様が歌えと言っているというのはそのあたりもあるんでしょうね

ささき「よく言うじゃないですか、決してオーバーではなく、『この仕事は僕の肉体を使って神様がやっているんですよ』って。まったく僕はその通りだと思っています。そういう方は、その使命感みたいなものに気づいて、それでやっているのではないかと思うんですよね」

――番組中、『キャシャーン』に出会うまでは少し歌をあきらめていた部分があったとおっしゃっていましたが

ささき「発声をやったりして頑張ってはいたんだけど、それがどういう形で歌えるか、自信はあまりなかったんですよ。でも、やっていればチャンスが来ると思っていました。僕はいつも言っているんですよ、一生に三回チャンスがあるって。で、たぶん二度目のチャンスがアニメだったんだろうと思います。だから、今が三度目の五十周年かなって(笑)」

――2011年は海外にも眼を向けるとおっしゃっていましたが、今後のご予定などを教えていただけますか

ささき「とりあえず、1月末にニューヨークに言って、カーネギーホールで歌うんですけど、そこに来る方は、たぶん向こうにいらっしゃる日本人だと思います。そういう方は飢えているんですって、日本語に。そこでアニメをやった人はいないだろうから、『999』や『ヤマト』を歌って、吉田メロディを入れて、エルビスも入れてといった、ちょっと欲張った感じになりそうです。まずはやってみることが大事ですし、それが意外と喜んでもらえるかもしれませんからね。そういった一つ一つがステップになるわけですが、やるとなったら、ステップなんて思わずに全力投球でやって、それが結果的にステップとなって次に上がっていければいいなって思います。あまり臆病になって『恥をかくのは嫌だな』って思わないようにしたいんですよ。僕はけっこうそういうところがあるんですけど、もう行ってみるか! って感じですね。自分を守って引いてしまうと、"アニメの帝王"とか言われているだけで終ってしまう。そうじゃないんですよ。アニソンだけじゃないって、いつも自分には言い聞かせています」

――アニソンも大事だけど、それだけじゃないということですね

ささき「アニソンを歌うためには違う面も必要になる。ここはエルビスっぽいものとか、歌謡曲っぽいものとか。たとえば『真っ赤なスカーフ』という曲は、完全にウナ・セラ・ディ東京のメロディラインなんですよ。で、ウナ・セラ・ディ東京があるから、『真っ赤なスカーフ』が歌えるみたいなところもあるんですよね。自分の中でそういった音楽の背景を持っていると、曲がすごく理解できる。そして、理解できるということは何かを伝えられるわけですよ。だから、あらゆるジャンルのものを観たり、聴いたり、歌ったりしたほうがいいと思っています」

――それでは最後にインタビューをご覧のみなさんにメッセージをお願いします

ささき「こういう時代だから、どういう風に一生懸命生きていいかわからないっていう方が多いと思うんですけど、とりあえず自分が今やっていることを一生懸命にやることがすごく大事だと思います。僕もそうやって生きているので、皆さんもそういう風に生きていただきたいですね。そして、そういったメッセージを贈れる歌手でいたいと僕はいつも思っているので、また皆さんと心の通う歌、心の通う番組で会いましょう」

――ありがとうございました



「ささきいさお50thスペシャル」として放送される『アニぱら音楽館』は、キッズステーションにて2011年3月21日(月)の深夜0時30分を皮切りに、下記日程にて放送されるのでしっかりチェックしておきたい。そのほか詳細については番組サイトをチェックしてほしい。

放送日 放送時間
3月21日 (月) 深夜0時30分
3月21日 (月) 深夜4時30分
3月23日 (水) 深夜0時30分
3月23日 (水) 深夜4時30分
3月27日 (日) 深夜3時30分
3月28日 (月) 深夜0時30分
3月28日 (月) 深夜4時30分
3月30日 (水) 深夜0時30分
3月30日 (水) 深夜4時30分
3月31日 (木) 午後10時30分