菅原そうたが語る『ネットミラクルショッピング 2nd シーズン』
――まずは、2ndシーズンを制作することになった経緯を教えてください
菅原そうた(以下、そうた)「第一期が終わったときは、とりあえずもう予算がないと言われまして(笑)。ただ、DVDがもしも売れたら、第二期目があるかもしれないよということだったのですが、皆さんのおかげでDVDが何とか売れてくれたので、ようやく『2ndシーズン』を始めることができたという流れですね」
――『2ndシーズン』が決まったときの喜びはいかがでしたか?
そうた「決まったときは、喜びと焦りの両方がありました。第一期のときに地獄を経験したんですよ……。確実に作っている人数が足りていないんですよね。5日間連続で起きっ放しなんてこともありましたし。ほとんど24時間作業し続けて、ようやく朝の8時に寝られると思ったら、目覚ましは朝の9時にセットしないといけない、みたいなこともありました」
――1時間しか寝られないということですか?
そうた「それをコンスタントに5日間続けないと、締め切りに間に合わないといった状況の連続だったんですよ。なので、今回またあれをやらなければならないのか……という悲しみもありつつという感じで。僕が何もしなくても、勝手にできあがってくれるとうれしいんですけどね。それが理想です(笑)」
――基本的にCGはすべてそうたさんが作っているんですよね?
そうた「モデリングを少し手伝ってもらったりはしているんですけど、ほとんど大枠は僕が作ってますね」
――脚本もすべてですよね
そうた「そうですね。ただ、脚本に関しては本当に詰まって、やばいっていうときがあるんですよ。そういうときは、友だちに、『ここまでできているんだけど、この後はどうしたらいいと思う?』って相談したりします。一人で煮詰まっているよりも、友だちとの会話や飲みの席なんかで出てくるネタのほうが面白かったりするんですよね」
――少し話はさかのぼるのですが、『ネットミラクルショッピング』を作ることになるきっかけは?
そうた「以前、クライアントもなく、ただ本当に遊びで面白い映像を勝手に作っていたんですよ。本当に思いつきで、一発ネタキャラみたいなものを作っていたんですけど、そんなときに柴田プロデューサーと会って、何か面白い企画を一緒にやろうよっていう話になりまして。それで、何か案を出してといわれたときに、地球を救う戦隊モノのギャグとか、そういったものを何パターンか出したものの中に『ネットミラクルショッピング』も入っていて、そこからどんどんと話が盛り上がっていったという感じですね。それこそ最初は、声もすべて僕が一人でやる予定だったんですけど、やはり声優さんに頼んだほうがいいだろうということで、本職の声優さんを手配してもらって、どんどんと今のカタチが出来上がっていきました」
――「通販番組」に対してもともと興味があったのですか?
そうた「『通販番組』って誰でもわかるじゃないですか。不条理なギャグって、やりすぎると共通語がなくなってしまうんですよね。なので、共通語のフォーマットとして、『通販番組』を持ってきたという感じです。少しわかりやす過ぎるということもあるのですが、お客さんと手をつなぐのには、持って来いのツールだと思います」
――「通販番組」なら、誰が見てもシチュエーションを理解できますもんね
そうた「そうそう、誰でもひと目で状況がわかるじゃないですか。よくわからないところで、いきなり意味不明なギャグをやるよりも、わかりやすいことを入れておくのも一つの手だなって思ったんですよ。王道があるだけにボケやすいんですよね」
――たしかに「通販番組」なら、誰にでも馴染みやすいですよね
そうた「あと、商品だけを紹介していけばよいというのが、3DCGに向いているんです。3DのCGで髪や表情を動かすのはものすごく大変なんですけど、パキパキのメカだったり、モノだったりは、意外と簡単に作れるんですよ。そういった意味では、CGの長所にあっているので、作っていくうえでのコストパフォーマンスがとてもいいんですよね」