――ちなみに"萌え要素"を入れたのはそうたさんのアイデアですか?
そうた「そうですね。後はプロデューサーと話しているうちに決まった感じです」
――柴田プロデューサーにお伺いしますが、なぜ"萌え"を入れようと思ったのですか?
柴田プロデューサー(以下、柴田P)「2ndシーズンになるにあたって、何かを新しいもの登場させて、まず見た目を盛り上げる必要があると思ったんですよ。それで、どうせ入れるんだったら、最近"萌えブーム"っていわれているから、とりあえず"萌え"的なものをやってみようかということだったんですけど……。なにぶん、二人とも"萌え"については、知識も縁もなくて……」
そうた「結局、出来上がった絵を見ても、たぶんこれでは"萌え"のお客さんはついてこないぞって感じで(笑)。しかも、そもそも『ネットミラクルショッピング』を観ている人は、"萌え"なんか求めていないんじゃないかと……」
柴田P「せっかく佐藤聡美さんに出ていただけることになったんですけど、僕らのアイデアも、そうたの画風も、そこに全然ついていけていなかったんですよ」
そうた「"萌え"の"萌"の字もなかったですね」
――キャスティングが活かせなかったわけですね
そうた「まったく関係なくて、政治力だけが働いた感じですね(笑)」
――でも、そのあたりは実際に映像を観た方がどのように捉えるかですよね?
そうた「俺が思うに、たぶんスルーです(笑)」
――それでもやはり、そうたさんにしてみれば"萌え要素"なわけですよね?
そうた「観ている人がわかるように、キャラクターに矢印をひいて、"萌え要素です"って書いておこうかな(笑)」
柴田P「完成するまでに10種類ぐらい描いているんですよ。10種類近く描いて、これもちがう、あれもちがう、ちがう、ちがう、これでいいか……みたいな感じで決まったんですよ」
そうた「たくさん描きましたね。どちらかというと、僕自身はストーリーに興味があって、キャラにはあまり興味がないんですよ。それでプロデューサーと揉めたこともありました。プロデューサーから『新しいキャラを作って』って言われて、しょうもないキャラを作って送ったら、すぐに『何やってるんだよ、本気でやれ』って激怒の電話がかかってきて(笑)。結局のところ第一期と同じ山田とそうたに落ち着いたんですけど、主人公自体も変わるかもしれなかったんですよ。スタジオも最初はライブハウスのような感じにしようという話だったんですけど、いろいろと試行錯誤したところ、結局元のスタジオに戻って……」
――2ndシーズンでも山田とそうたが司会をやっているのは、既定路線ではなく、変更するはずが結局元に戻ったということですか?
そうた「本当はものすごい構想があって、キャラもめちゃくちゃ作ったんですけどね」
柴田P「見比べていただくとわかると思うのですが、実は絵も少し変わっているんですよ。山田さんはあまり変わってないですけど、第一期のそうたは相当に気持ち悪かったんですよね。僕はそれがすごく嫌で……。キッズステーションさんでも放送されるので、お子さんが観る可能性も高いじゃないですか。でも、いろいろな人から『ちょっと絵が、子ども向けじゃないよね』って言われていたので、今回はいろいろと試してみたんですよ。でも、結局そうたの画風なので、気持ち悪いものしか出てこなくて……」
そうた「たぶんそれが俺のツボで、気持ち悪いのが好きなんですよね」
柴田P「でも、それはちがうだろうということで」
そうた「それで、人に好かれる新キャラを考えてくれって言われたんですけど、俺の中では面白そうなキャラしか思い浮かばなくて……。ミミズの先におっさんの顔が付いている絵を作って、『これ、気持ち悪くて面白いでしょ?』て言ったら、ただそのまま『気持ち悪い』って言われました(笑)」