――最初からフルCGで制作するというのは決まっていたのですか?
そうた「僕はCGしかできなかったので(笑)。逆に手で書いてくれって言われたら、絶対に無理なお話でしたね」
――「通販ギャグアニメ」というのは新しいジャンルですよね
そうた「『通販ギャグCGアニメ』は新しいと思いますが、『通販ギャグ』というのは昔からあったかもしれないですね。通販自体はずっと以前からあったものなので」
――通販一本で通すのは珍しいと思いますよ
そうた「たしかに、ここまでくどくやった作品はないかもしれません(笑)。実際にテレビで放送されるとき、けっこう本物の『通販番組』に挟まれて放送されることが多いんですよ。本物の『通販番組』を観ているときに、急にこの番組に出くわすと、けっこうな衝撃があると思うんですよね。そして、『ネットミラクルショッピング』の後がまた『通販番組』だったりすると、ちょっとかわいそうに思ったりもします。観る人はギャグの脳みそになっていたりするので、真面目な『通販番組』なのに、『ボケてないじゃん』とか思われちゃいますから(笑)」
――そういう意味では、『ネットミラクルショッピング』は中途半端に本物っぽいとダメなんでしょうね
そうた「だから、逆に今みたいにふざけすぎていて、クオリティがある程度低いということが大切なことなのかもしれないですね。本気でやりすぎたら、『売ってないじゃないか』っていうクレームもくるかもしれませんし(笑)」
――『ネットミラクルシッピング』は短い番組なので、思わず目にしたという視聴者の方も多いのではないでしょうか?
そうた「そうですね。昔は2時間の映画が当たリ前だったのに、今はYouTubeなどに慣れてしまって、DVDを借りても早回しで観てしまったりするんですよね。2時間も観ていられないんですよ(笑)。なので、3分ぐらいの長さというのも、今の時代にあっているのかもしれません」
――ただ、短い番組の場合は、新聞やネットのテレビ欄で見つけにくいというのが難点ですよね
そうた「スペースがなくて、『ネットミ』とかになったりしますしね(笑)。そういう意味では、偶然の出会いで観ていただいた方が、『これ面白い』ってネットなどに書き込んでくれたのがすごくありがたかったです。もともと『ネットミラクルショッピング』は無名の作品でしたから、そういった口コミがすごくプラスになりました」
――偶然の出会いも大切ですね
そうた「本当にうれしいですよね、そうやって新しい方が観てくださるのは。つまみ食いしていたら、いつのまにか中毒になっちゃったっていうのが最高ですね」
――どの回から観ても大丈夫というのが強みにもなりますよね
そうた「そうそう。どこの入口からでも入れますし、入りやすいと思います」
――何回観ても面白いというのも強みではないでしょうか?
そうた「そういっていただけるとうれしいですね。でも僕自身は、作っているときはすごく面白いのに、だんだんと感覚がズレてきて、面白さがわからなくなってくるんですよ。自分の中でマヒしてしまうんですよね」
――自分で観ていて、これは本当に面白いのかなって不安になるわけですか?
そうた「そうなんですよ、まったくわからなくなっちゃうんですよ。最初は面白いと思っていたことが、当たり前になり、そのボケから、次はどうボケるんだって考えちゃって……」