アメリカ / Heather Perry氏
次は、予選でも堂々とした様子で競技に臨んでいたHeather Perry氏。同氏は法律家を目指していたが、コスタリカの農家を訪問した際にコーヒーに魅了され、この世界に入ったという。シグニチャー・ビバレッジのタイトルは「エスプレッソ・イン・ザ・クラウズ」。ジンジャーや砂糖、オレンジピール、シナモン、ミルクなどを火にかけ、これを漉したあとフォームにしてグラスへ。エスプレッソや卵黄、ブラウンシュガーを混ぜたものをスポイトでグラスに入れると不思議なことに、後から入れたエスプレッソが下に沈んでいく。丁寧にドリンクを制作し、終了したのは制限時間1秒前の14分59秒。計算しつくされた同氏のプレゼンテーションに観客は魅了され、拍手の渦!!同氏も「Fine!!」「Good!!」を連発し、興奮冷めやらぬ様子。プレスという立場を忘れ、私も思わず席を立って拍手を送った。
ブラジル / Silvia Magalhaes氏
決勝の最終プレゼン者となるのはSilvia Magalhaes氏。WBCではこれまで北欧の選手が優勢だったことは前述の通りで、実はコーヒー豆の原産国は残念なことながら華々しい成績を残していない。そんな事情もあって、ブラジルが決勝に進出したことは大きな意味を持つといえるだろう。
Magalhaes氏のシグニチャー・ビバレッジはアイスのドリンク。エスプレッソと氷をブレンダーに入れてスムージー状にしたものの上に、砂糖や卵白、クリーム、オレンジなどを混ぜたものを流し入れた作品だ。競技を見ていると、緊張で呼吸が荒くなっているのがわかる。見ているこちら側にも緊張が伝わり、息苦しくなってくるほど。競技が終了すると、緊張感から解き放たれ、「昨日より今日のほうが良かったと思う。ベストを尽くせました」と笑顔で語ってくれた。
以上で決勝は終了。3日間にわたって繰り広げられた同大会も、いよいよフィナーレのときを迎える。優勝者は一体誰なのか!? 宮前氏の成績はいかに!?