ステージ上には決勝進出者6人が並び、結果発表を待つ。実際は6位から順に告げられるのだが、ここではグランプリを最初に発表するとしよう。壇上には2006年WBCチャンピオンであるKlaus Thomsen氏(デンマーク)が登場し、優勝者が知らされた。
「優勝はイギリスのJames Hoffman!!」。そう会場にアナウンスが流れると、観客からは盛大な拍手が送られ、Hoffman氏は満面の笑みを浮かべてThomsen氏と抱き合った。宮前氏は4位に終わったが、私たちに素敵な笑顔を見せてくれた。結果詳細は以下の通り。
順位 | 氏名 | 出身国 |
---|---|---|
1 | James Hoffman | イギリス |
2 | Heather Perry | アメリカ |
3 | Carl Sara | ニュージーランド |
4 | 宮前みゆき | 日本 |
5 | Anna Kaeppeli | スイス |
6 | Silvia Magalhaes | ブラジル |
部門名 | 氏名 | 出身国 |
---|---|---|
ベスト・エスプレッソ | Heather Perry | アメリカ |
ベスト・カプチーノ | 宮前みゆき | 日本 |
ベスト・シグニチャー・ビバレッジ | James Hoffman | イギリス |
ベスト・バリスタ | Andrius Valiauga | アイルランド |
Hoffman氏は最後に、「昨年のWBCでは5位だったのですが、今年はこのような結果となり、うれしくて混乱しているほどです。これからもおいしいコーヒーをたくさんの人々に広めていきたい」と話してくれた。宮前氏は「会社や職場の仲間、お客さんたちに支えられてここまでやってくることができたと思います」と感謝の気持ちを述べた。
今大会はアジアで初のWBCということだけではなく、参加国数が過去最多という点でも記念すべき大会となった。また、コロンビアやザンビア、アルゼンチン、エチオピアなどの初参加国が多い点でも大きな意味を持っていた。決勝に進出し、優秀な成績を収めた選手を称えるのはもちろんだが、初参加国の中にはまだまだコーヒーに馴染みの薄い国もあるようで、そんな状況下でも向上心を持ってWBCに参加したバリスタにも敬意を表したい。
観客席を見渡すと、若い人の姿が多く見られ、様子を見ているとどうやらカフェや喫茶店で働いているらしき若者も多くいた。目の前で繰り広げられる世界各国から集まった優秀なバリスタたちの技に感動し、必死にメモを取る姿も見かけられた。日本でWBCが開催されたことで、国内のバリスタたちも刺激を受け、日本のコーヒー文化がより豊かなものへと成長していくような予感がした。