――MCは東野幸治さんとSnow Manの渡辺翔太さんのタッグです。
この番組はどのVTRも着地点が「ワンダフル」なので、感動で終わることが多くなると思うのですが、東野さんはそのままで終わらず、「こういう意見もあるよね」と的確に提示してくれることで、バランサーという位置づけで合うんじゃないかと思ってお願いしました。
渡辺翔太に関しては、MCを決める時、堀川さんに「小宮くんにとって一番ワンダフルな人でいいんじゃない?」と言われたんです。MCをやる人なんてみんなワンダフルだと思うのですが、「渡辺がゴールデンでMCをやったらワンダフルですね」と言ってみたら、「良いんじゃない?」と返ってきて、「ウソでしょ!?」って(笑)
実は、中学校の同級生で、本当に幼なじみみたいな感じで。彼の人生を知ってるからこそ、この番組のMCにピッタリだなと思いました。実はここでも「1ダフル」なエピソードがあるんですけど、それは番組が波に乗ってきたらいつかどこかで話そう……と渡辺とも話してます(笑)
――その時を楽しみにしています(笑)。レギュラー回の収録をやってみて、東野さんと渡辺さんのコンビネーションはいかがですか?
特番の時と同じように、渡辺の慣れない進行を東野さんがうまくカバーしてくれて(笑)。でも、その2人のやりとりが親子みたいで本当に新鮮でした。ゲストの皆さんも含め、とてもいい空気のまま収録を終えたので、今後もどうなっていくか楽しみです。「名コンビ」と言ってもらえるよう、僕も全力で番組作りができればと思ってます。
――それにしても、局員ではなく、32歳の若さでゴールデンのレギュラー番組の演出を担当されるというのは、なかなか珍しいケースですよね。
本当に、フジテレビさんには感謝しかないです。この番組がレギュラーになるというので、各テレビ局のお世話になっている人たちから一斉に連絡が来て、エールをもらいました。みんなライバル局のはずなのに(笑)
――佐久間(宣行)さんの『オドオド×ハラハラ』の後で、かつては長年とんねるずさんがやっていた枠というのは、やはりプレッシャーですか?
はい、本当に恐縮すぎて。なるべく考えないようにしています(笑)
自分で選曲も「ここで感動させたいんだ」
――『この世界は1ダフル』も含めて、制作において共通でこだわっていることはありますか?
これはディレクターの皆さんにも言うんですけど、「琴線に触れる」というVTR作りを大切にしてます。すごく笑える番組とか、何となく見ちゃう番組っていっぱいあって、僕も大好きなんですけど、作るのはわりかし苦手なジャンルで。そういうのよりも、VTRを作って、見た人たちに感動や興奮を覚えてもらうものを作ろうと思っています。なので、特番の時に「超人気ウエディングプランナーに聞いた今までで1番忘れられない結婚式」というのがあったのですが、担当のディレクターが編集してきたVTRを引き取って、「どうやったらもっと感動するだろう…」と結末を5パターンぐらい作ったんです。
曲はシェネルの「Happiness」に決めていたのですが、どのタイミングで流すかというのもパターンを作って、それを見比べて「これが一番グッとくる」と思ったのを選ぶという作業をしていました。
――多くの番組では、音効さんに選曲を頼みますよね。
僕は自分で決めることが多いです。なので、オフライン(仮編集)の段階でメインの音楽が入ってます。ドラマだと、『ROOKIES』で「キセキ」が、『アンナチュラル』で「Lemon」が、ドキュメンタリーでも『ザ・ノンフィクション』で「サンサーラ」がめっちゃいいところで流れて、あれが感動させるじゃないですか。それをバラエティでも踏襲したくて。やっぱりVTRを作ってる以上は、ここで感動させたいんだというメッセージを自分で選曲するというのを意識していますね。
――結末のパターンを複数作るというのは、最初に齋藤飛鳥さんを追いかけた『セブンルール』の経験が生きているんですね。
はい。手間はかかるんですけど、どの番組でもそこは大切にしてずっとやっていますね。