小山薫堂×山口智子が冬の福岡であったかい味と人に出会う - 『ふくあじ旅のススメ～福岡編～』のロケに密着してみた

「『おいしさ』を一緒に感じてポジティブな気持ちになっていただけたら」

最後に、小山さんと山口さんに、今回の『ふくあじ旅のススメ～福岡編～』収録を終えた感想を伺ってみました。

──今日1日を振り返っての感想をお聞かせください。

小山：（山口さんとは）同世代ということもあるせいか、昔からの友人感覚で旅ができて楽しかったです。

山口：同じクラスの同級生みたいな感覚でしたね。

小山：こういう形で食事するのは2回目ですよね。今回のように1日一緒に旅するのは初めてですが。

山口：しかも薫堂さん運転のドライブ付きですよ。デート感満載でしたね（笑）。

小山：本当に幸せな時間でした（笑）。

──山口さんは、今回初めて訪れる場所が多かったと思いますが、福岡に対するイメージは変わりましたか？

山口：まったく予備知識がなかったのですが、豊かなこだわりの味があったり、ちょっとひとひねりがあったり、笑いを誘うようなダジャレ風のネーミングがあったり……。みなさんダジャレがお好きで言葉の端々に挟み込まれていて、そのエンターテインメント精神に幸せを感じました。

──小山さんは、福岡ならではの特色はどこにあると感じましたか？

小山：人情味のあるところが多くて、お客さんと店主の距離感がすごく近いのが福岡のお店かなと思います。初めてでもお店との距離を感じることなく、通うことでさらにその距離を縮めていける。お店の人も、「もてなさなきゃ」という意識ではなく、「自分が楽しいからお客さんと接している」という感じがありますよね。居心地がいいし、定期的に通いたくなります。

──小山さんは、本当に素敵なお店をたくさんご存知ですよね。どうやってアンテナを張られているのでしょうか。

小山：セレンディピティというか、不思議とたまたま出会うことが多いんですよ。お店を探すときは「おいしい」とか「おいしくない」だけじゃなく、店主の人柄や雰囲気、メニューの書き方、お店の佇まいや店内の様子なども見ています。料理の写真だけじゃなくて、そういうところからも「あ、ここはよさそうだな」というのが分かるので。

山口：小山さんは常に見ていますよ。ドライブのときも「あそこの豚まんおいしそう」と目ざとくお店を見つけたり、お店の看板を見て「あの店名いいね」と言ったり。その注意力がすごいと思います。

小山：そういう惹かれるところがあると、お店にも興味を持つようになるし、興味を持つと純粋に行ってみたくなるんですよ。別に意識してアンテナを張っているというわけじゃないのですが、そんな好奇心がお店との出会いにつながっているのでしょうね。

山口：それと実行力ですね。気になるお店があると、通り過ぎたあとでも「引き返してみようよ」と言って実際に戻っちゃう。そして豚まんを買いに行く。

小山：おいしかったね、あの豚まん。

山口：おいしかったですね。

──「鮨おさむ」や「安兵衛」のように、長く通い続けているお店もありますよね。お店とのお付き合いで大切にされていることは？

小山：当たり前のことですけど、お店の人の気持ちを考えることですね。客だからといって、ただ自分が何かしてもらうだけじゃなくて、してもらったことに対してどうリアクションしたらお店の人に喜んでもらえるのかを考えます。それが、またおいしさにも還元されると思うので……。

山口：うん、うん。

小山：たとえばお店の人は、お客さんに食べて喜んでもらうことを幸せに感じると思うのですが、ちゃんとおいしさが伝わるように食べるのもポイントですよね。

──山口さんは「ツーリズムEXPOジャパン2024」のスペシャル・サポーターを務められるなど、旅に関する活動を積極的にされていますよね。今回の“ふくあじ旅”で、旅の楽しみ方が変わりそうな印象はありますか？

山口：今までは、なぜかひとり旅が多かったのですが、今回のような道連れ感覚もいいな、やっぱり旅は道連れだなと思いました。道すがら「好きな食べものは何？」とか、たわいない思い出話などをしながら、相棒的な人と一緒に巡るのはやっぱり楽しいですよね。

──どんなところへに行きたいですか？

山口：（収録のとき）エジプトに行きたいと言いましたが、これだけいろいろなところを旅しているのに、私たちまだエジプトには行ったことがないんですよ。

小山：うん、エジプトは行っていないですね。国内は、山口さんも47都道府県ほとんど行ってますよね。

山口：さらっとしか行ってないですけどね。まだ全然知らないことだらけ。

小山：日本はどの季節に行くかということも大きいですよね。季節によって表情が変わるので、1回行っただけで分かったような気になってはいけないと思います。

山口：四季によって変わる表情も見てみたいですね。

──最後にマイナビニュースの読者にメッセージをお願いします。

山口：おいしいという気持ちは、本当に人を幸せにしてくれると改めて思いました。おいしかったら「明日もまた頑張って生きていこう」と思えるので、番組を見てその「おいしさ」を一緒に感じてポジティブな気持ちになっていただけたら嬉しいですね。

小山：僕はまもなく開幕する「2025年大阪・関西万博」で、食をテーマにいのちを考えるシグネチャーパビリオン「EARTH MART」を手掛けています。おいしいものを紹介するというよりは「食を通じて感謝の気持ちを思い起こしましょう」というのがメッセージ。今回の“ふくあじ旅”でも感じた、人に感謝をすることが自分に還元されるということにも通じると思うので、ぜひパビリオンにもお越しください！