入社5年目にして、自身の企画した番組をコンスタントに手がけている2人。それができる状況にあるのは、若手に開放された深夜のチャレンジ枠の存在が大きかったという。
『水曜NEXT!』『月曜PLUS』というチェレンジ枠で『ここにタイトルを入力』を制作した原田氏は「自分の考えていることが面白いと受け入れてもらえるのか、全く分からない状況だったので、“何か面白そうだね”で挑戦できる枠があったのはありがたかったです。“とりあえずやってみろスピリット”があるのはこの会社の魅力だと思います」と振り返る。
『火曜ACTION!』枠で『僕たちの校内放送』を制作した足立氏も「深夜の規模だから手弁当で一通り流れを学ぶことができたと思います。そこの一体感や楽しさも難しさも味わえたことで、ゴールデンでやる上での勉強になりました」と大きな糧になった。
実際に放送される作品という形で見せることにより、自分の強みや作風を社内外にアピールする機会としても、有効に機能したそうだ。
師匠の助言「演者と向き合って」「もっと勉強しなさい」
様々な先輩たちの教えを受けて独り立ちした2人だが、“師匠”と呼べる人を一人挙げるとすると誰になるのか。
原田氏は「上司をはじめ本当に人に恵まれてきたんですよね」としながら、『567↑8』で見いだしてもらった前述の片岡飛鳥氏の名前を挙げた。で、「一番最初に拾っていただいた恩義もありますが、演者さんとの向き合い方や、バラエティづくりの幹の部分を教えてもらいました」という。
『567↑8』は単発の番組だったが、「だいぶ密にいろいろ教えてもらいました。自分の番組へアドバイスをくださることもあり、“ちゃんと演者と向き合って、手先に走りすぎないようにしなさい”と言われます。たしかに企画だけで進みすぎてしまうクセがあるので、“結局、面白いのは『人』だから”という言葉を常々思い出すようにしています」と、その教えは今でも制作における支柱となっている。
足立氏の師匠は、文字通り弟子入りした元フジテレビでワタナベエンターテインメント会長の吉田正樹氏。「僕は1年間就職浪人をしていて、その時に高校の先輩でもある吉田さんの弟子になりました。ずっと引っ付いて、いろんな舞台を見に行かせてもらったり、ご飯に連れて行ってもらって制作の話を聞いたり、ドラマの現場にも行かせてもらい、本当にいろんなことを知ることができました」と、学びの多い期間となった。
基本的に作品を見て褒めてくれることはないそうで、「“あそこが良くなかった”とか“ここが分かりづらかった”とか、いつも厳しく意見をもらっています。“お前はいろいろ物を知らなすぎるから、もっと勉強しなさい”ともよく言われますね(笑)」(足立氏)と、今も“師弟関係”が続いている。