テレビ画面を注視していたかどうかが分かる視聴データを独自に取得・分析するREVISIOでは、11月24日に放送されたNHK大河ドラマ『光る君へ』(総合 毎週日曜20:00~ほか)の第45話「はばたき」の視聴者分析をまとめた。
「なんという重いお役目でございましょう…」
最も注目されたのは20時25~26分で、注目度81.5%。源倫子(黒木華)が愛猫・こまるをあやしながら、赤染衛門(凰稀かなめ)に相談を持ちかけるシーンだ。
「そなたに、たっての頼みがある」こまるを膝に乗せたまま倫子は切り出した。「なんでございましょう」「殿のことを書いておくれ」衛門の問いに倫子は単刀直入に答えた。倫子の思いがけない依頼に戸惑っている衛門に、「『枕草子』が、皇后・定子様のお姿をきらきらと描いたように、殿のすばらしさを輝かしき物語にしてほしいのよ」と、詳しく説明した。こまるはするりと倫子の膝から抜け出し部屋の奥に消えていった。
「それ…それを、私に書けと…」「衛門の筆で。殿の栄華を」「なんという重いお役目でございましょう…」あまりに突然の話に衛門は困惑を隠せずにいた。「やってくれるか?」倫子は強い眼差しを衛門に向けると意を決した衛門は「まこと恐れ多いことながら、つつしんでお受けいたします」と答えたが、続けて「されど、まことに私でよろしいのでございましょうか?」と、胸中によぎる不安を倫子にぶつけた。「衛門がいいのよ」即答する倫子に、衛門は「お方様…」と身体をふるわせて感動した。倫子はそんな衛門の様子をみて、やわらかい笑みを浮かべた。
「またかわいいネコちゃん出てきた!」
注目された理由は、まさかの小麻呂(?)の登場に、視聴者の視線が「くぎづけ」となったと考えられる。
倫子の愛猫・小麻呂が、まさかこの時期まで生きていたのかと驚いた視聴者はかなりの数に上るのではないだろうか。だが、この愛くるしい猫ちゃんは、よく見ると違う個体のようだ。
X(旧Twitter)では、「光る君への新しいネコさんはこまるちゃん」「倫子さまのネコちゃんラブリー」「またかわいいネコちゃん出てきた!」といったコメントがアップされ話題となった。2代目小麻呂に関する情報はあまり出回っておらず、『光る君へ』公式Instagramの中で、倫子と一緒に写っている投稿に「#こまる」とあり、名前のみが確認されている。詳細なプロフィールは今後あきらかになるのだろうか。突如あらわれたこまるからの、倫子の衛門への無茶ぶりのコンボでグラフは急上昇を見せ、今回最も注目されたシーンとなった。さすがにこの年代まで小麻呂が生存している可能性は低いといえそうだが、彰子(見上愛)の飼っていた小鞠はまだ健在なのだろうか。非常に気になる。
そして、まひろ(吉高由里子)に道長版『枕草子』の執筆を依頼するも、「太閤様の栄華をかがやかしく書くことは私には難しいと存じます」と、根っからの陰キャであるまひろから説得力のある理由で断られてしまった倫子だが、今度はしれっと「あなたしかいない」と、衛門に執筆を依頼する。したたかな倫子の本領発揮だ。
SNSでも「まひろに頼んでいたのに『衛門の筆で、殿の栄華を』『衛門がいいのよ』と答える倫子さまは、まさに京の女だな」「倫子さまの人心掌握術がすごい」「断られても『あらま』ですまして、旅立ちを見送るなんてうつわが大きい」「倫子さまは最後まで立派な態度ですばらしいな」などと、倫子の立ち回りに関する投稿で盛り上がりを見せた。第43話で道長へ積年の思いをカミングアウトして以来、3週連続で倫子のシーンが注目度トップ3に入った。最後まで倫子には目が離せない。
ここから誕生する『栄花物語』は、仮名による編年体の物語風史書で全40巻にわたる大作。衛門の今後の創作活動にも注目だ。