2018年の元日に放送された日本テレビ系『おもしろ荘』をきっかけにブレイクを果たしたひょっこりはん。大忙しだった2018年を振り返ってもらうと、「しんどかったですね(笑)」と打ち明けた。
「準備ができないまま世に出た感じがありました。ネタは一生懸命頑張っていましたが、テレビ露出が始まったら全く別の世界に飛び込んだ感じで、ネタだけでなくいろんな仕事が入ってきて。すべて100%、120%で取り組むメンタルと体力が整ってなかったので、余裕がなかったなと思います。助けてくれる人もいないと勝手に思っていて、バラエティに出ても自分でどうにかしなきゃいけないというマインドがあって息苦しかったです」
ひょっこりはんというキャラクターがしっかりしているからこそ、バラエティでの振る舞いに悩むこともあったと明かす。
「スタジオでも端からひょっこりしたり、キャラが強い分、キャラを前面に押し出さないといけなかったので、平場でのコミュニケーションで笑いが生まれるというのがあまりなくて。だから孤独をずっと感じていました」
2019年、2020年と仕事の忙しさが落ち着いた低迷期も精神的につらかったという。
「何をやってもうまくいかないなと。SNSのコメントで『お前もう終わってんねん』と言われたり、しんどい時期がありました」
観客の反応が支えに これからも“ひょっこり芸”を貫く
もがきながら、次第に「目の前の人や仕事を大事にしよう」と気持ちを切り替えたことで乗り越えていったという。
「今オファーしてくれている人や目の前で見てくれている人たちに対して誠実に向き合って100%、120%出し切るという風に切り替えたことで、気持ち的に吹っ切ることができ、精神的にだいぶ強くなったなと思います」
しんどい時期が続くも、芸人を辞めようという思いを抱いたことはないそうで、劇場や営業で笑ってくれる観客の反応が支えになっていると語る。
「SNSでいろいろ言われても、舞台に立ってお客さんを見るとだいたいの人がにこにこ笑ってくれている。そういう姿を見るとやりがいを感じますし、自分の気持ちも落ち着いて、目の前の人を大事にしようという風に切り替えられたなと思います」
“ひょっこり芸”から離れるという考えもなく、これからも貫いていくつもりだ。
「もともとひょっこりはんになったのも、自分がこの世界で輝ける形を探した結果で、この顔を生かそうと思って生まれたものなので、これを変えるという考えはなく、さらに成長させて、ひょっこりはんでできることを探していくというのがいいと思っています」
ジョイマンやとにかく明るい安村ら、一発屋と言われていた芸人たちが続々と再ブレイクしている姿を見ても、自分のネタを貫いていく大切さを感じているという。
「ジョイマンさんのダジャレもキャッチーで面白いので再ブレイクするのは当然だなと思います。同じことをしていても人の意識は時期によって変わると思うので、しっかりした芸を持っていたらまた面白がってもらえるタイミングが来るんだろうなと。そして、ジョイマンさんも落ちることなく貫いてきて、そういった誠実さも全部魅力に。自分も貫いていくつもりなので、正解はわかりませんが、正解にするしかないという気持ちです」