本体のサイズは同じDynabook社のモバイルノートPCラインアップや競合他社の13.3型ディスプレイ搭載モバイルノートPCと比べてそれほど違わない。とはいえ、同じ13.3型ディスプレイ搭載ながら横縦比16:9(解像度1,920×1,080ドット)のdynabook G8シリーズと比べると、dynabook X8 CHANGERは幅が6.8mm短く奥行きは2mm長くなる。
幅の6.8mmがわずかの違いのように思えるかもしれないが、それでも、例えばスターバックスの狭めな丸テーブルに本体をおいたその脇にラージサイズのカップを余裕で置くことができる。そういう意味では喫茶店で広げて使うのに窮屈な思いはしなくてすむだろう。
インタフェースは余裕あり、Wi-Fi 6Eを搭載
本体に搭載するインタフェースは、Thunderbolt 4(USB 4 Type-C)×3基(電源コネクタ兼用)、USB 3.2 Gen1 Type-A×2基(1基はパワーオフUSB充電機能に対応)、ヘッドホン&マイク端子のほかに、映像出力用としてHDMI出力(Standard A)、そして、ビジネス用途や最近ではネットワーク対戦用の高速有線LAN接続用としてRJ-45を用意する。
また、メディア用インタフェースとしてはmicroSDスロットも載せている。種類はdynabook Rシリーズやdynabook Gシリーズと同等ながら、Thunderbolt 4(USB 4 Type-C)は最多となる3基を有するのが特徴といえるだろう。
無線接続インタフェースでは、IEEE802.11axまでカバーするWi-Fi 6E(ただし2.4GHz対応)とBluetooth 5.1を利用できる。
耐久性にこだわり、ディスプレイは180度開く仕様
dynabookのモバイルノートPCは早い段階から(それこそ前身の“東芝”の時代から)、堅牢性能に確保に注力してきた。
dynabook X CHANGERでは、Dynabook社による独自試験を18項目にわたって実施している。この数はdynabook Rシリーズと同等(ただし項目としてはRシリーズが実施したディスプレイ衝撃試験をXシリーズは行ってない)でdynabook Gシリーズの17項目を上回る(GシリーズではXシリーズがクリアした防滴試験、無線品質試験を実施していない)。
なお、Dynabook社では、堅牢性の指標としてMIL-STD-810H準拠した耐久テストを工場出荷時に実施してクリアしていることも訴求ポイントとして挙げているが、dynabook X CHANGERに関しては2月初旬時点で「実施予定」となっている。
ディスプレイ上部には、有効画素数約92万画素のカメラとステレオ入力に対応するアレイマイクを配置。音声関連機能では環境ノイズをカットする「AIノイズキャンセラー」が利用できる。
地味ながら新世代エンパワーテクノロジーを支える小技
dynabookシリーズの特徴として、エンパワーテクノロジーの対応が挙げられる。dynabook X CHANGERではエンパワーテクノロジーの新しい構成要素の1つとして、一見地味ながらもユニークな仕掛けを用意した。それが「ダスト・クリーニング」機構だ。
通常ノートPCでは、CPUから発する熱を内部から排出するために、吸気口から外気をクーラーユニットに取り込む。しかしこの空気の流れを作るファンに、外気と一緒に取り込んだホコリや油分が付着すると、ファンのブレード形状を変えてしまい、風量効率を下げてしまう。すると、CPUの温度は上昇し、今度はCPUの発熱を抑えるために動作クロックを下げることになる。これが、結果的に処理能力の低下につながる。
このような事態を回避するために、底面の左右2か所にある吸気口にフィルター=ダスト・クリーニング機構を用意している。このフィルターは取り外し式になっているので、ユーザーが外して掃除することで、結果的にPCの処理能力を維持できるようになっている。