スマートフォンやヘルスケア製品などを展開するHuawei(ファーウェイ)は、中国市場では一大メーカーとして知られています。米国の経済制裁によってスマートフォンに対する5G技術やGoogleサービスの利用が禁止されたことで、海外のスマートフォン市場のシェアを喪失。日本でも存在感を低下させています。

しかし、中国市場での存在感はまだ健在。スマートフォンだけでなく、スマートホームを中心とした幅広い製品展開でシェアを伸ばしているといいます。今回、ファーウェイの招待による報道関係者向けの深センツアーが開催され、ファーウェイの現状がアピールされました。

本稿では中国・深センにあるファーウェイの大型フラッグシップストアを紹介。スマートホームからスマートカー、そしてスマートフォンの新商品「HUAWEI Mate 60 Pro」などが人気を集めていました。

ストアで売り切れ、最新フラッグシップスマホ「Mate 60」

中国・深センの南東部にあるショッピングモール万象城(The MixC)内にあるのが、ファーウェイのフラッグシップストア。同社の直営としては初めてのフラッグシップストアとされています。

ガラス張りの3階建てで、1階は692平方メートル、2階は591平方メートルとそれなりの広さを確保。3階は社員の休憩室やオープンエアのデッキとなっていて、利用者が自由に座って休憩もできるそうです。

  • 全面ガラス張りの明るくオープンな印象のストア

  • 通りを挟んだ逆側から見たところ

商品を展示する什器にレジが内蔵されている点やガラス張りの開放感のある店舗デザインなど、Apple Storeの影響を感じさせるところではあります。デザイン性は高く、たくさんの商品を自由に試せる点は良いところでしょう。

  • 発売されたばかりのMate 60シリーズをアピール

  • 外階段でも2階や3階に直接アプローチできます

  • 外側には24時間、ワイヤレスイヤホンやスマートバンド、ケースなどが購入できる自動販売機も設置されていました

メインとなる1階にはスマートフォンやタブレット、スマートウォッチに加え、自動車も展示している点が特徴的です。スマートフォンの最新製品として、フラッグシップの「Mate 60 Pro」「Mate 60」などが展示されていました。最上位の「Mate 60 Pro+」は展示がなく、折りたたみスマートフォンの「Mate X5」を含めて予約で一杯となっており、購入はできない状態でした。

それでも、多くの人がスマートフォンの周りに集まっており、特に最新のMate 60シリーズは注目を集めていました。

  • Mate X5とMate 60 Pro+の予約が好調だという通知が掲示されていました。話を聞いたところ、Mate 60シリーズはその場で購入できない状態とのことでした

  • 1階にあるスマートフォン/スマートウォッチなどのコーナー

  • Mate 60 Pro

  • 強力なカメラ機能を搭載。リアカメラは無印版で1200万画素+1200万画+5000万画素、Pro版で4800万画素+1200万画素+5000万画素

  • Mate 60

  • 右がMate 60。背面のデザインも同等でした

「Mate 60」5G対応のウワサ、9月25日に明らかに?

Mate 60シリーズは2023年8月29日に発表され、正式な発表会が行われないまま販売されている製品です。現時点ではあまり数がないのか(その場での)購入はできず、ストア内でもかなり人気の様子。

制裁の影響で、5G通信技術を含む米国が関わるチップセットが使えないファーウェイですが、ネット上ではその通信速度の速さから、Mate 60シリーズが5Gに対応しているのではとの予想があります。

ストアでもMate 60シリーズの5G対応は明言されていませんでしたが、ファーウェイは中国で9月25日に発表会を開催する予定といいます。同社は明らかにしていませんが、ここでMate 60シリーズが正式に発表されるとみられています。

ファーウェイのデバイス部門、Huawei Consumer Business GroupのLi Yingying氏(Marketing Communications Dept, Director)は、「ブロガーなどの記事によると、Mate 60シリーズの下り速度は4Gを遙かに超えています。この数字が何を意味するかはご存知の通りでしょう」と話していました。つまり、5Gに対応している製品ということでしょう。こうした詳細が25日に語られることを期待したいところです。