「ナナナナ~」のラップネタで2008年頃にブレイクし、“一発屋芸人”と呼ばれるもここ数年でじわじわと再ブレイクを果たしたお笑いコンビ・ジョイマン。2014年の東京・町田モディでの「サイン会0人事件」を笑いに変えて注目を集め、2022年に同所でリベンジに成功したことも大きな話題に。吉本所属タレントの中で2022年の営業数1位になるほどの活躍ぶりで、2008年の最高月収を塗り替えたという。そんな2人が全国7都市を巡る結成20周年記念「ジョイマンの全国サイン会ツアー2023 ありがとう 日本列島」を7月7日より開催する。2人にインタビューし、20周年を迎えた心境や再ブレイクまでの道のり、そしてサイン会ツアーへの意気込みなど話を聞いた。
――20周年を迎えた心境からお聞かせください。
高木晋哉:激動でしたね。同じような時期が20年通して全然なく、いろんな経験をさせてもらいました。売れなくて貧乏な時期、テレビに出てちやほやされた時期、どん底の時期、そしてちょっと浮き上がって。昨年、2008年の月収を1回超えて、面白い20年だったなと思います。2008年がピークであのときの月収を超えることなんてないだろうなと、このまま低空飛行でやっていくと思っていたので驚いています。
池谷和志:10周年ときはまだどん底で苦しい状態でしたが、そういった時期を経たから今があるというのがすごくわかる20年で、第1章のジョイマンが終わる一区切りだなと。サイン会ツアーをやったらきっと脱力感が出て、次どうしようと思うだろうなというくらい夢が叶ったので、サイン会ツアーは大きいと思います。
――これが再ブレイクにつながったなと感じていることは?
高木:ツイッターで「ここにいるよ」と続けてきた活動が実を結んだのかなと。「ジョイマン消えた」「ジョイマンどこ行った?」とジョイマンを見失っている一人ひとりに「ここにいるよ」と教えてあげたら見失っている人がいなくなると思ってずっと続けてきましたが、やっと最近「ジョイマンここにいるな」となってきたと思います。
――「ここにいるよ」と本人から言われたらうれしいですよね。
高木:最初は怒っている人もいたんです。急に本人が「ここにいるよ」と言ってきて怖かったみたいで。「本当に探していたわけじゃねーよ」と言われることもありましたが、徐々にネタっぽくなってきて、みんな喜んでくれるようになりました。
池谷:あと、とにかく続けてきたことでみんなが認めてくれたのかなと。2008年のときはよくわからないリズムネタやっている若い2人組という感じで、「どうせ消えるだろ」と言われて実際消えて、でも続けていくと「まだ頑張っているんだ」「頑張れ」と応援してもらえるように。それはやり続けてきたからこそだと思います。でも、再ブレイクしたとはあまり思っていません。2008年のほうが忙しかったですし、テレビもあまり出ていないので。
――お二人ともまだ、公式サイトのプロフィールの特技に「スケジュールがあいている」と記載されていますが、まだ特技のままですか?
高木:そうですね。プロフィールから「スケジュールがあいている」が消えたときに、再ブレイクしたと思ってください(笑)
池谷:そのときに認めたなと思ってください(笑)
――一発屋芸人と言われていた人たちが、同じネタを貫いて続々と再ブレイクしていますが、一度多くの人たちの心をつかんだネタはやはり強いということですよね。
高木:時代は回るというか、初めて僕たちを見る小さい子たちは若手芸人として見ていますから。
池谷:初めて見る人たちは一発屋と思ってない。うれしいのは、親子が一緒に楽しめる芸人っていいなと。続けていてよかったなと思います。