2位通過でプレイオフ進出を目指す

続いて、試合直後の「ZETA」Laz選手への単独インタビューです。「ZETA」は今リーグに向けて、IGL(インゲームリーダー)やロールの変更を行っており、その判断が結果にどうつながるかが注目されていました。

IGLを務めているLaz選手自身のパフォーマンスへの手応えや、リーグプレイ前半戦の振り返り、そしてリーグプレイ後半戦に向けて、何位でのプレイオフ進出を目指しているかなどについて聞いています。

  • VCT Pacific

    インタビューに応じてくれた「ZETA」Laz選手

――まずは、今日の「DFM」との試合を終えた感想を教えてください。

Laz:今日はすごく良い形で試合ができたと思います。先週よりも先々週よりも、チームとしてどんどん強くなっているし、個人的なパフォーマンスもちゃんと良くなっていて、ひと安心しています。

――日本チーム同士での試合でしたが、いつもと違った気持ちなどはありましたか?

Laz:やはり日本チームが相手だと、みんな個人的な感情が出ているように感じますね。普段の試合よりもさらに強く、勝ちたいという感覚があるように思います。僕自身も、ちょっと普段と違う感覚はありました。

――元チームメイトとの対戦という点でも、何か意識することはありましたか?

Laz:お互いにプレイスタイルをよく知っていますし、特にReitaは相手として戦いたくないタイプの選手です。でも、チームが週ごとに成長していることを実感できていて、この調子なら絶対に勝てるだろうと思っていました。

  • VCT Pacific

    試合を終え、グータッチを交わす「ZETA」と「DFM」

――今日の試合では、Laz選手自身のパフォーマンスの高まりをより感じられました。IGLをしながらプレイすることに対する感触はいかがでしょうか?

Laz:IGLをしながらいつ戦うか、個人技にいつ集中すべきかという、切り替えのタイミングがわかってきました。あとは、作戦のことばかり考えすぎないとか。今回いい形で結果が出せたので、個人的にも良かったなと感じています。

ただ、全体の動きを考えていたら正面の撃ち合いが始まってしまったり、相手の動きへの対応を考えていたら取り残されてしまったり、そういうことも今日の試合では起きていたので、まだ修正するところはたくさんあるなと思います。

――リーグプレイの前半戦、Week2~3では逆転勝利という展開も相まって、「VCT 2022 Masters Reykjavík」(※)のときを彷彿とさせる勢いがあったように感じます。皆さんの感覚としてはいかがでしたか?

※2022年4月にアイスランド・レイキャビクで行われた国際大会。この大会で「ZETA」は世界3位という結果を残した。

Laz:Week2の「ここで負けると本当にきつい」という状況から、Depが前ブリンクして倒してラウンドを取り、マップを獲得する展開は、やっぱりレイキャビクの「Fnatic」戦を思い出すところがありました。

ただ、レイキャビクはもう1年前の話。逆にそれ以外には、あまり結果を出せていません。そう考えると、自分たちにとっては過去の栄光みたいなものなので、あまり考えないようにしています。

――Week2~3は、1マップ目を落としたところから追い上げる展開でした。スロースターターな印象もありましたが、どういった理由がありそうですか?

Laz:結構スロースターターなところは感じています。特に誰がというわけではなく、全員ですね。いつも「寒い寒い」と言いながら手が冷たい状態で試合を始めることが多いので、どうにか改善したいです。

今日の試合は、序盤から勢いに乗れて、攻めも上手くできていました。守りでは、相手が用意していたものが強かったこともあるんですけど、それにもっと早く対応できたら良かったなと思います。ここは1マップ目だった影響も多少はあったかな、くらいですかね。

――ここまで3勝1敗と、「DRX」との初戦を落とした以降は勝利を続けています。チームのなかでも、手応えや自信を感じている雰囲気はありますか?

Laz:そうですね。どんどん成長していて、相手にスーパープレイを出されても、ちゃんと勝てる感覚があって、すごく強いチームになったと思います。

初戦は、日本から韓国に拠点を移すときのゴタゴタもあって、あまり十分な練習ができていない状態でもありました。ただ、初戦でこのリーグの最強格である「DRX」と戦えたのは、一発目の経験値としてすごくありがたいものだったし、恵まれていると思います。

  • VCT Pacific

    XQQコーチ、Laz選手、TENNN選手、SugarZ3ro選手、crow選手、Dep選手

――リーグプレイの後半戦には、5試合が残っています。特に難しい戦いになるだろうと考えているチームはいますか?

Laz:「Gen.G Esports」はすごく強いし、「Paper Rex」も言わずもがな、すごく爆発力のあるチームです。もともと今リーグは、「DRX」と「Paper Rex」の2強だと思っていたので、かなり強いチームが残っていると感じます。ただ、自分たちもすごく強くなっていて、全然戦えるし勝てると思っているので、楽しみにしています。

――プレイオフへの通過順位として、目標としている具体的なラインがあれば教えてください。

Laz:目標は、今見えるところで一番高い2位通過ですね。ここから残っている試合を全勝して、2位で抜けてプレイオフに行きたいと思っています。今チーム全体がどんどん強くなっている実感があるので、このまま練習を重ねて強くなっていけば、目指せる位置だと感じています。

――今リーグでは、日本のファンが多く現地に駆けつけています。現地で感じる応援の印象はいかがですか?

Laz:たくさんのファンの方がわざわざ現地まで来てくださっていて、本当にありがたいです。ぜひ楽しんでいってほしいです。

ただ、僕はかなり目が悪くて、両目の視力が0.1くらいなんですけど、試合中はコンタクトも眼鏡もつけていないので、実はステージ上から客席が見えていなくて(笑)。でも、試合前にステージでデバイスをセットしているときは、眼鏡をかけているので、そのときに客席を見ています。応援してもらえていることを感じて、とても力になっています。

――それでは最後に、リーグプレイの後半戦に向けた意気込みをお願いします。

Laz:本当に週ごとにチームが強くなっていて、僕自身もやっていて楽しいし、すごく良いチームだと自信を持っています。これからもどんどん成長して、全部の試合を勝ち切りたいと思っています。皆さん、いつも応援ありがとうございます。毎週の試合を楽しんでもらえたら幸いです。