そして、2014年から演じてきた犀原茜という役について「女優としてのターニングポイントになりました」としみじみ。

「この役が大好きなんです。自分らしく生きていて遠慮がなくて。私はもともと遠慮しがちで気を遣うタイプでしたが、犀原を見ていたら自分らしく生きようってすごく思います。こんなにエキセントリックでも自分らしく生きているとすごく魅力的なんですよね。自分に嘘なく思うがままに生きようって彼女が教えてくれた感じがします」

また、「女優としての評価が上がったのも犀原のおかげです。犀原をやっていなかったら役の幅が全然違ったと思います。犀原のおかげで当たり役というものを経験する事ができ、いい評価をいただけるようになって、いろんな役をいただけるようになりました」とまさに犀原が女優人生の転機となった。

2012年度後期のNHK連続テレビ小説『純と愛』で女優デビューしてから10年。「10年というのは全然意識していませんでしたが、このタイミングで犀原主演でやらせていただけるのはうれしいプレゼント、ご褒美だなと思います」とにっこり。再び犀原を演じ、「やっぱりかっこいいなと思ったので、自分に嘘をつかずに生きようって改めて思いました」と今回も刺激をもらったようだ。

『アバランチ』(カンテレ・フジテレビ/2021)や『マイファミリー』(TBS/2022)など、話題作で重要な役どころを演じ、女優として年々存在感を高めているが、「毎回、新しい作品に入るたびに初日はやはり緊張しますし、いつも『新人です』という感じになるんです。毎回新鮮な気持ちなので、10年やってきましたというのはあまり実感としてないです」とのこと。

「気持ち的には、いつ女優じゃなくなってもおかしくないなという感じです。常に新人の気持ちだからですかね」と続け、「隙間産業だと思っていて、たまたまいいところにスッと入らせていただいて、ずっとラッキーが続いている感覚です」と表現した。

その中でも変化はあり、「社会的な面や影響を考えて作品や役を選ぶようになりました」と明かす。「演じる女性はなるべく肯定していきたいと思っていて、このキャラクターはたくさんの人を傷つけない? と思ったりするとお断りするようになりました。役に憑依することはないですが、役作りのときにけっこう感情を使うので自分にも影響があって、妹と超仲が悪いという役などは断っています。妹との関係に影響したら嫌だなと」