――成田さんと伊藤さんがガッツリと共演されるのは今回が初めてだと思うのですが、お互いの印象はいかがでしたか?
成田:イメージ通りのすごくフラットな方で、「元々ずっと一緒にお芝居をやってきたんじゃないかな?」と思えるくらいでした。当たり前に一緒にカメラの前に立ち、お芝居をしていた感覚ですね。それはすごいことだと思います。
伊藤:私は元々、成田さんのお芝居がとても素敵だなと思いながら、色々な作品を拝見していたので、「(お芝居を)生で見られる!」という視聴者目線もありつつ、『ちょっと思い出しただけ』の現場で少しだけご一緒した時にも、私のほうこそすごくフラットにお話していただきました。
私がその時若干体調を崩していたこともあって、「これ、すごく腸にいいから」って、健康的なものを紹介していただいたり(笑)。元々勝手にいい印象でしたけど、ますます優しい方だと思いました。語弊のある言い方かもしれないのですが、思っていたより優しかったです(笑)。
一同:(笑)
伊藤:もっとクールな方なのかなと思っていたので(笑)。すごく優しい方でホッとしました。
■想像していたよりも“大人じゃない”
――成田さんも伊藤さんも穏やかで優しい空気をまとわれていますよね。さて、今作では17歳と27歳がテーマとして描かれます。現在、成田さんは28歳、伊藤さんはまさに27歳(※取材は4月に実施)ですが、10代の頃の27歳ってどんなイメージでしたか?
成田:10代の頃は二十歳を目指して生きていたので、27歳のことは何も想像していなかったですね。
伊藤:確かに27歳の印象はあんまりないですよね(笑)。でも、27歳って、もっと大人を想像していました。あまりにも自分が変わらなさすぎて、「いつになったら自分が思っていた“かっこいい大人”になれるんだろう?」と思います。
成田:(伊藤さんは子役をやっていたから)大人と会う数は圧倒的に多かったわけじゃない?
伊藤:確かにそうですね。自分が頼ってきたからだと思うんですけど、スタッフさんもみんな大人で頼れて、そういう印象が強いから、「自分はこんなに感覚諸々変わらないんだ」って。自分の成長の遅さに恐怖さえ覚えます(笑)。
――恐怖を覚えるほどですか(笑)。成田さんは「大人になりきれていないな」と感じたりはしますか?
成田:懐の深い、愛情深い大人と出会うと感じますね。自分がお世話になってる近しい先輩って、本当に丁寧に一個一個の出会いを大切にされている方が多いのですが、自分は余裕がないのか、まだそこまで人を愛しきれていなくて。
でも、20代後半になって、そういうことを感じられるようにはなれました。人のことを尊敬できるようにはなったんですけど、その尊敬している人たちみたいにはまだ生きられていないという感覚があります。
――役者の先輩にも、そんな風に尊敬できる方はいらっしゃいますか?
成田:井浦新さんは人や物、事柄と、色々なことに丁寧に生きられているので、こういう風に生きたいなと思います。