『水曜日のダウンタウン』(TBS)演出の藤井健太郎氏がTwitterで「混ぜてほしい」と興味を示していた会議は、どうなっているのか。
ベースの企画は原田氏が考えつつ、この6回レギュラー放送に向けて、『山田孝之の東京都北区赤羽』(テレビ東京)や『光秀のスマホ』(NHK)など話題作を次々に手がける竹村武司氏、『トゲアリトゲナシトゲトゲ』(テレビ朝日)や『しもふりチューブ』(YouTube)などを担当する23歳のさかもと良助氏という2人の放送作家とともにネタ出しを敢行。
「ちっちゃい会議室にずーっとこもって、ひたすらネタを出していくというのをやってましたね。竹村さんから『テレビ研究会じゃないんだから』って冗談で言われるくらい、僕は楽しかったです」と夢中になった日々を振り返る。
その後も、他のディレクターを交えて大喜利のように、細かいボケや展開を考える作業を進める中で、「さかもとさんとは細かい部分を結構詰めていきましたね。それこそ2人でいくつの夜を越えたんだろうっていうくらい(笑)」と没頭。その案を竹村氏に相談すると、また違う角度から返ってくることが多く、「竹村さんはやっぱヤバいなと思いました(笑)」と圧倒されたそうだ。
■テレビというメディアの特性を生かした6回の配置
6週連続の放送ということで、放送順は相当熟考したのだそう。まず、「奇数回は人のリアクションを見て笑う回にして、偶数回は逆に完全に制作の作り込みや設定ボケで笑わせる」と、構造の違う番組が交互に放送されるように振り分けた。
その上で、「ちゃんと6本全部違う笑いの角度になる企画を考えつつ、初回はとにかく話題になることが大事なので絵力の強いものを選んで、後半戦の一発目にめちゃくちゃ大きい変化球になるドラマで『こんな手札もあるんだ』というのを見せて、番組に慣れてきてもらったところで、『その恋、買い取ってもいいですか?』のような訳の分からないものを流す感じで順番を組んでいきました」といい、テレビというメディアの特性を生かした配置がされている。
番組からは、「防犯カメラが至るところに張り巡らされた監視社会」「いつ誰に撮られているか分からない1億総カメラマン時代」(第2回)、「物事には曖昧な返事で臨んではいけない」(第5回)といった社会派メッセージが伝わってくるような気もするが、「あくまでゴールは笑いなので、それをメインにしてるつもりは全くないですが、企画を考えるプロセスでそういったニュアンスも含むことができるよね、程度では話していました」とのことだ。